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一番美しく

戦時下における黒澤明の抵抗がかすかに汲み取れる興味深い作品。
一番美しく<普及版> [DVD]一番美しく<普及版> [DVD]
(2007/12/07)
志村喬;清川荘司;菅井一郎;入江たか子;矢口陽子

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「一番美しく」(1944日)星3
ジャンル青春ドラマ・ジャンル戦争
(あらすじ)
 太平洋戦争末期、女子挺身隊は軍需工場で過酷な労働に晒されていた。緊急の増産体制が敷かれたことで更に労働条件は悪化する。不満を漏らす彼女達をリーダー渡辺は一つにまとめ上げた。そして、これまでの1.5倍以上の生産量を目標に一丸となって頑張る。しかし、途中で脱落者が続出。その上、渡辺の仕事に思わぬアクシデントが起こり‥。
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(レビュー)
 戦時下に撮られた黒澤明監督の作品。

 プロパガンダ映画だが、ひたむきに働く女子挺身隊の姿は歴史の悲劇を見事に物語っている。劇中で叫ばれる「頑張れ、頑張れ!」という言葉は、明らかに戦意昂揚を促すメッセージになっているが、それが逆に不憫に思えてくる。青春時代の全てを戦争に捧げた彼女達の姿に胸を締め付けられる思いがした。
 極めつけは、渡辺のアップを長回しで捉えたラストである。戦争や国家に対する怒り、悲しみといったものを彼女の表情に焼き付けた演出は見事だ。プロパガンダ映画とはいえ、黒澤はこのラストシーンに”反戦”という裏テーマを明らかに忍ばせている。
 また、実家に帰省したあさ子を寮母が迎えに行くシーンの自然の美しさ、雪の中をはしゃぎ駆け回る子供達の姿。平和の尊さが感じられる。黒澤の作家としての良心だろう。

 映画は基本的に陰隠滅滅とした工場風景で展開されていく。ただ、その暗さと対比する形で挿入される少女達の快活な日常風景には少しだけ心が救われた。
 疲労が積み重なり次第に生産量が落ちてくると、彼女等は気分転換と称して工場の空き地でバレーボールに興じる。開放感に溢れた笑顔が実に輝かしく印象に残る。
[ 2009/05/11 19:09 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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