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魂萌え!

三田佳子の雰囲気ある風情が良い。
魂萌え! [DVD]魂萌え! [DVD]
(2007/07/27)
風吹ジュン三田佳子

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「魂萌え!」(2006日)星3
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)

 敏子は定年した夫と悠々自適な余生を送ろうとしていた。その矢先、夫が急死する。葬式の日、亡き夫の携帯電話に伊藤という女性から電話がかかって来た。生前、夫は週一回、趣味で蕎麦教室に出かけていたが、どうやらその時に出会った女性らしい。線香を上げにやってきた伊藤を問い正してみると、何と10年も付き合っていたと言う。良き妻として家庭を守ってきた今までの自分の人生はなんだったのか?腹立たしくなってくる敏子。更に、そこに長年疎遠だった息子が妻子を連れて金の無心にやって来た。堪忍袋の緒が切れた敏子は家庭を放り出して夜の街へと出て行く。
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(レビュー)
 夫を亡くした中年女性の困惑と悲しみと自立の物語。

 熟年離婚ブームが囁かれて久しいが、敏子は正にその世代にいる女性である。離婚ではなく死別という所が違うが、愛人の出現をきっかに夫婦の信頼関係が崩壊していく本ドラマは、熟年離婚と根本的なところで共通しているように思う。そういう意味では、実に現代的なドラマで興味深く見る事が出来た。

 貞淑な妻敏子は、亡き夫の不倫の発覚をきっかけに”自分を変える旅”に出る。妻の反乱である。初めて泊まるカプセルホテル。そこで知る多様な人間模様。ショッピングを楽しみ、見知らぬ異性との不倫に心をときめかせる‥。良妻賢母を演じてきた彼女は、家庭の中に引き篭もっていては絶対に知ることの無い外の世界を経験していくのだ。演じる風吹ジュンが好奇心旺盛な少女に戻ったかのように、初々しい表情を見せ印象的である。

 そして、この映画最大のクライマックスは、愛人伊藤との対峙である。亡き夫との関係を巡って二人は因縁めいた対立を深めていくが、そこに見えてくるキャラクターの対位性が面白い。

 敏子は純真無垢な少女がそのまま大人になったような女性である。学生時代の同級生と未だに世間話に花を咲かせてキャッキャッと騒ぎ、セーラー服姿の自分が写った8ミリ映画を映写しては過去を懐かしむ。
 一方の伊藤は小さな蕎麦屋を切り盛りする自立した大人の女性だ。演じる三田佳子の雰囲気ある風情が良い。

 1度目の対峙では、敏子はただヒステリックに吼えるだけ。それを伊藤はしたたかな振る舞いでかわし、大人の女性としての貫録を漂わせている。
 そして、クライマックスで再び二人は対峙することになる。それまでの優劣関係はここで逆転する所に注目したい。様々な経験を終えた敏子が伊藤に立ち向かっていくのである。それはプライドをかけた女の戦いと言っても良い。これにはゾクゾクするような興奮が感じられた。敏子の”自分を変える旅”が実は伊藤への対抗心から生まれたものなのではないか‥そんなことすら考えてしまった。また、この時の伊藤の足元をアップで捉えた演出は秀逸である。ペディキュアが勝負の分かれ目‥という感じがした。

 監督・脚本は阪本順治。以前ここでも紹介した「王手」(1991日)等、男臭い映画を撮ることの多い監督だが、女性ドラマも中々に上手い。女性殺人犯を追ったコメディ「顔」(2000日)という快作もあった。阪本作品における女性は必ずどこかに芯の強さを持っているのが特徴で、本作の敏子も伊藤もかなり頑固で自分を曲げない強い女性である。

 一方、幾つかの不満点も残った。敏子の周縁エピソードに関する中途半端な描写の仕方はいただけない。また、息子夫婦と映写技師のエピソードも消化不良に思えた。特に、映写技師に関するエピソードは敏子の自立に重要な意味を持ってくる。それだけにもう少し突っ込んで描いて欲しかった。
 尚、同年にはTVシリーズとしてドラマ化もされている。未見だが、周縁に話を広げるなら、おそらく連ドラのほうが合っているのではないだろうか。2時間で描くには窮屈過ぎるという印象を持った。
[ 2009/05/19 15:13 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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