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ペーパー・チェイス

学生VS教授の戦いがじっくりと描かれている。
ペーパーチェイス [VHS]ペーパーチェイス [VHS]
(1986/11/21)
ティモシー・ボトムズリンゼイ・ワグナー

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「ペーパー・チェイス」(1973米)星3
ジャンル青春ドラマ
(あらすじ)
 ハーバード大学のロースクールの学生ハートは、厳格なことで知られるキングスフィールド教授のクラスで日夜勉学に勤しんでいた。講義についていけない者が続出する中、彼はクラスのトップ集団の勉強会に参加して必死に食らいついていく。その一方で、人妻スーザンとの不倫にのめり込んでいくようになる。実は、彼女はキングスフィールドの娘だった。ハートは苦渋の選択を迫られるようになる。
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(レビュー)
 エリート大学生の採るべき選択はキャリアか恋か?その苦悩に迫った青春映画。

 何と言っても、キングスフィールド教授の冷徹なキャラクターが印象を残す。のっけから「君達の脳みそを手術してやる」という脅し文句で学生達をびびらせる。授業について来れない者はどんどん振り落としていく冷酷無比な教授だ。

 さて、今作の主人公ハートは優秀な学生だが、スーザンという恋人もいるし、決してガリ勉タイプというわけではない。見た目はどこにでもいる平凡な学生だ。彼は高名なキングスフィールドを尊敬していたが、余りにも非人間的な授業方針に反発を覚えていくようになる。更に、彼の娘スーザンと恋仲になることで、その関係は軋轢を増していく。試験に合格してスーザンと結ばれること。それが彼にとってのハッピーエンドだが、恋と勉強は中々両立しない。そこにハートの葛藤が生じる。

 ラストシーンが面白い。ハッピーエンドとも取れるし、アンハッピーエンドとも取れる。実に虚無的な描かれ方になっていて、これは70年代という時代性を反映したものではないかと分析できる。
 若者達が大人達の価値観に反抗した60年代。それが70年代では空回りし始めるようになる。どんなに粋がっていてもいつかは自分達も大人の価値観の中に組み込まれていくという自己矛盾からくる虚無感。それが70年代の若者達の中にあったと思う。ハートはキングスフィールドに戦いを挑み勝利したが、何故か充足感を得られない。果たしてこれで本当に良かったのか?今後の自分の人生はこの勝利によってつまらないものになってしまうのではないか?その不安がこのラストシーンから読み取れる。正に70年代的モラトリアム青年の等身大の姿だろう。

 ここで思い出されるのが、68年にコロンビア大学で起きた学生闘争を描いた青春映画「いちご白書」(1970米)という作品である。大学の講堂を占拠した若者達の”革命”という名の反抗は、ここで描かれるハートの冷めた闘争とは明らかに対照的である。時代の相違が見れて面白い。

 物語は、対キングスフィールドをメインのドラマに据え、そこにスーザンとのロマンス、クラスメイトの有志で集う勉強会の交流がサブストーリー的に語られている。ロマンスパートは紋切り的で余り面白いとは思わなかったが、勉強会のエピソードは興味深く見れた。

 勉強会はハートを含めた6名の学生達からなる。試験に備えて情報交換するというのが主な目的だが、メンバーは全員プライドが高く計算高い連中ばかりなので、少しでも足を引っ張る者がいると”排除”の思想が働く。中でもケビンというキャラクターは色々な意味で面白かった。
 彼は既婚学生である。妻や両親の手前惨めな姿を晒せない。しかし、ハートが恋愛と勉強の両立に苦しむのと同じように、ケビンも家庭と勉強の両立に手こずるようになっていくのだ。彼は次第に勉強会のお荷物になっていき周囲から責められるようになっていく。そこをハートは不憫に思い助け舟を出すのだが‥。この人間模様は、正に競争社会の縮図を見ているようで面白かった。
[ 2009/05/31 00:59 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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