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めがね

独特のテイストで面白いが、前作「かもめ食堂」との違いはどこなのか?
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(2008/03/19)
小林聡美

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「めがね」(2007日)hoshi2.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 世間のしがらみから逃れるようにして、タエコはとある海辺の町にやって来た。気さくな主人ユージが経営する宿屋でのんびりしようとするが、そこで働く中年女性サクラに何となく距離感を抱いてしまう。サクラは海辺でカキ氷を作って訪ねてきた人にもてなしをしている謎の多い女性だった。タエコは彼女が出してくれたカキ氷を断り、他のホテルへ移ろうとする。ところが、入ったホテルはとても”くつろげる”ような場所ではなかった。結局、ユージの宿に戻ろうとした時、サクラが自転車に乗って迎えに来てくれた。タエコは彼女の優しさに少しだけ情が移るのだった。
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(レビュー)
 都会から南の島にやってきた女性タエコの一夏の出来事を、朴訥としたテイストで綴ったドラマ。
 監督・脚本は「かもめ食堂」(2005日)で注目された荻上直子。主演も同じ小林聡美、もたいまさこというコンビ。

 特に大きな事件が起こるわけでもなく、タエコと町の人々との交流がユル~いテイストで綴られていく。このあたりは「かもめ食堂」と同じテイストである。その中で、タエコが何故都会からここに逃れてきたのか?彼女を気にかける不思議な中年女性サクラの正体とは‥といった所が語られていく。

 前作「かもめ食堂」にも言えることだが、荻上監督の描く世界は一見日常風景のように見えて、実は究極の非日常とも言える。前作は異国の地フィンランドという土地を舞台にしたことで、ある種観光映画的な側面も合わさり面白く見れたのだが、本作は日本のどこか‥という曖昧とした設定になっている。前作同様、非日常的な世界感と言えるが、今回は更に寓意性が強まり、解釈次第ではタエコの夢の中の世界‥と取れなくもない。これが好きと言う人もいれば、ついて行けない‥という人もいるだろう。個人的には後者の意見である。前作くらいが丁度良い按配だったのかもしれない。

 また、この世界をファンタジー的な景観にみせるもう一つの要因として、キャラクターの描き方が挙げられる。前作の主人公である3人の女性は個性がはっきりと色分けされていて、彼女等のやり取りが映画を魅力的に見せていた。唯一、もたいまさこのキャラクターは今ひとつ判明しなかったが、それでも他の二人との絡みから一定の個性は確認できる。それに対して本作のタエコは素性が分かるのは後半に入ってから。サクラにいたっては最後まで分からず終いである。ホテルの主人ユージにしろ、いずれも登場人物のバックストーリーは極めて希薄であり、リアリティは徹底して排除されている。人物造形が貧相だとドラマにも入り込めないし、結局”別世界”の出来事として俯瞰視点で見ることしか出来ない。

 また、何故「めがね」なのか?という疑問も残った。タイトルにもなっているくらいだから、メガネに重要な意味でもあるのかと思いきや、そこに理屈を求めても何の回答も得られない。確かに登場人物はほぼ全員メガネをかけていたが、それは何かのヒントだったのか‥。

 主要キャストもテイストも「かもめ食堂」とほぼ一緒ということでかなり食い足りない映画だったが、前作との違いで面白い点が一つあった。前作は食堂を経営する3人の女性の視点、つまり”もてなす側”から描いたドラマだったの対して、今回はお客であるタエコの視点、つまり”もてなしを受ける側”から描いたドラマという違いだ。前作の好評を得て、今回は視点を切り替えて観客にお客さんの気分を味わってもらおう‥という狙いなのだろう。この逆手の発想は試みとしては面白いと思った。
[ 2009/06/10 01:31 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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