fc2ブログ










ニューヨーク・ニューヨーク

デ・ニーロ&L・ミネリの好演が光る。
ニューヨーク・ニューヨーク(2枚組特別編) [DVD]ニューヨーク・ニューヨーク(2枚組特別編) [DVD]
(2008/11/19)
ライザ・ミネリロバート・デ・ニーロ

商品詳細を見る

「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977米)star4.gif
ジャンルロマンス・ジャンル音楽
(あらすじ)
 1945年、ニューヨーク。終戦で沸く夜のナイトクラブでサックス奏者ジミーはナンパに興じていた。その時、ふと一人の美女に目が留まる。彼女は元歌手のフランシーヌ。最初は強引なジミーの誘いを嫌悪するフランシーヌだったが、偶然の再会によって彼のオーディションに付き添うことになった。そこで彼女はジミーの素晴らしい演奏を耳にして心奪われる。こうして二人はコンビを組んでステージデビューすることになる。しかし、そんな矢先、フランシーヌにビッグチャンスが舞い込んできて‥。
DMM.comでレンタルする
goo映画
映画生活

ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!

FC2ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングへ


(レビュー)
 サックス奏者ジミーと歌手フランシーヌのロマンスを華やかな音楽で綴ったラブ・ストーリー。

 ジミー役のR・デ・ニーロ、フランシーヌ役のL・ミネリ、共に好演していると思う。音楽物ということではL・ミネリは安心して見れるが、一方のデ・ニーロも演奏こそ吹き替えだが、まるで本当に吹いてるように見せている。この辺りはさすが上手い。

 監督はM・スコセッシ。デ・ニーロとのコンビで作られた作品は数多くあるが、二人が組むとなぜか主役が男根主義的な造形になるから不思議だ。「レイジング・ブル」(1980米)のジェイク・ラモッタなどはその最たるものだが、本作のジミーもそれに負けず劣らずの男根主義的キャラクターになっている。冒頭から延々と10分以上もフランシーヌを口説いたり、ツアーに出かけた彼女を追いかけて強引にプロポーズを迫ったり、その独善的なやり方からは、ある種男尊女卑的なエゴイズムが伺える。そして、所帯を持つに至ると、今度は楽団仲間として、妻として、公私にわたって忠義を強制するのだ。

 しかし、最後にはそんな彼に全てのツケが回ってくる。この寂寥感漂う結末にはホロリとさせられてしまった。これが独善的な男の末路だ‥とはいえ、余りにも惨めすぎて言葉にならない。きっと、二人はどこかでやり直せたはずである。しかし、こうなってしまってからではもう手遅れなのである。それが男と女なのである。

 音楽を通して愛が芽生えるドラマ‥と言うとロマンチックなストーリーに思うかもしれないが、最終的にはそうはならないところが面白い。このあたりは流石にスコセッシらしいと思える所だ。彼のシニカルな眼差しが強く感じられる。

 尚、クライマックスのL・ミネリのパフォーマンスは実に素晴らしかった。ここだけは劇中劇という形でミュージカル映画の構造になっていて、彼女のパワフルな歌声が存分に味わえる。その歌唱に痺れた。
 また、音楽のみならずファッショナブルに彩られた美術も素晴らしい。さすがにカキワリの背景には違和感を覚えたが、40年代を表した世界観が鮮やかに再現されていて、目で見て楽しむことも出来る作品になっている。
[ 2009/07/11 00:45 ] ジャンルロマンス | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://arino2.blog31.fc2.com/tb.php/430-9d0501c9