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ネクロマンティック(特別編)

グロ注意。これも一部でカルト的な人気があるのだがDVD化はされていない。
ネクロマンティック [VHS]ネクロマンティック [VHS]
(1995/08/25)
マンフレッド・オー・イェリンスキー

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「ネクロマンティック(特別編)」(1995独)星5
ジャンルホラー・ジャンルロマンス・ジャンルエロティック
(あらすじ)
 死体処理業に勤めるロブは、死体愛好家の恋人ベティと同棲している。ロブは現場からくすねた死体の一部をベティに捧げて喜ばれていたが、このたび死体を丸々一体盗み出すことに成功した。その夜、二人は死体を交えてセックスにふけった。そんなある日、ロブは上司と喧嘩をして会社を首になってしまう。見切りをつけたベティが死体を持ってどこかに去っていってしまった。傷心のロブは彼女を取り戻したいがために”ある行為”に及ぶ。

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(レビュー)
 ネクロフィリア達の倒錯的な世界を描いた問題作。
 本国ドイツでは上映禁止になった挙句、ネガを含めた全ての映画の素材を処分するよう裁判所命令が下された。元々は前後編で製作された作品だったが、日本ではなぜか監督自らが編集した「特別編」がリリースされている。気色の悪い描写に批判が集まる中、一部からはカルト的人気を受けている。この手のタイプの作品は、評価するとなると0か100になってしまう。

 物語は前半と後半に分かれている。前半はロブとベティの異常な性愛を描くもので、死体を巡る三角関係がブラック且つシュールに描かれている。
 後半は、死体と駆け落ちしたベティのその後を追うドラマになっている。異常と正常な性愛の狭間に置かれた彼女の心的葛藤が描かれている。

 性愛の対象が死体だったというところを除けば、実にシンプルでオーソドックスなメロドラマと言える。男は女を追いかけ、女は別の男を追いかけ、最後に二人は元の鞘に収まる‥という展開は特段目新しくはない。ただ、この映画の唯一無二なところは、何と言ってもこの凡庸なドラマが吹き飛ぶくらいの性愛に対するラジカルな表現だろう。

 グロとエロの二律背反のビジュアルによって、その追及が行われている。見世物小屋的な風情に満ちているが、同時にリリカルさも併せ持っているところがユニークだ。
 例えば、ロブの自傷行為をしながらのオナニーシーンは実におぞましい。しかし、後半でそれがベティに対する究極の愛の証だったと知ると何だか切なく反芻される。
 一方のベティも、ロブのペニスを大切に冷蔵庫に保管するのだから実に健気だ。常識から激しく逸れたこれらの行為はラジカルであるけれども、純粋で素直な愛情表現に他ならない。

 また、悪趣味な描写ばかりが取り上げられる本作であるが、一方で所々に登場するフォトジェニックなシーンも印象に残る。例えば、ロブが夢の中で天使の少女と生首を使って戯れるシーンは、恍惚としたトーンで切り取られ幻想的で美しい。”死”というものに対する哲学的なメッセージすら感じさせる。

 監督・脚本はJ・ブットゲライト。本作以降、新作の発表が無いのは当然と言えば当然か?しかし、独特の哲学的テーマを臭わすセンスも持っており、それが埋もれてしまうのは実に勿体無い。
[ 2009/07/27 18:59 ] ジャンルホラー | TB(0) | CM(0)

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