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トト・ザ・ヒーロー

老人の暴走がドラマチックでエキサイティング!
”DVD化されていない隠れた私的傑作”シリーズの最終回。
トト・ザ・ヒーロー [VHS]トト・ザ・ヒーロー [VHS]
(1993/04/01)
ジャコ・ヴァン・ドルマルミシェル・ブーケ

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「トト・ザ・ヒーロー」(1991ベルギー仏独)star4.gif
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 老人トマは大富豪カントの暗殺を企てていた。何故彼はそんな事を考えるに到ったのか------------幼い頃、トマは同じ日に生まれた隣近所に住む裕福なカントのことを羨んでいた。赤ん坊の頃に取り違えられたと本気で信じていたのである。ある日、父が飛行機事故で死んでしまう。カントの父の事業を手伝ったためである。益々カントに恨みを募らせるトマ。そして、愛する姉アリスまで彼に取られそうになった時、不幸は起こる。それから10数年後、トマは大富豪になったカントと再会する。
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(レビュー)
 老人の生い立ちに隠された数奇な運命。彼が取った最期の結末とは?現実と幻想が交錯したブラックなヒューマンドラマ。

 映画は老人ホームに暮らす現在のトマを通して、少年期と青年期の二つの過去が振り返られていく。複雑に入り組んだフラッシュバックが氾濫するが、違和感なく構成されているところが見事で、緊迫感に溢れたミステリアスな映画になっている。また、ラストのオチは何とも言えぬ哀愁に満ちていて味わい深い。

 結局、トマは現実を見誤った悲しい老人なのだと思う。出生にまつわる疑心、父の死の悲しみ、姉アリスへの叶わぬ想い。彼はこれら全てを裕福な隣人カントに対する憎しみに結び付けて考えてしまう。そして、彼はテレビのヒーロー番組、トト探偵になって悪者カントをやっつけようと妄想し始める。トト老人はその思いを生涯引きずって生きてきたのである。

 客観的に見ればこれは単なる逆恨み、ただの独りよがりな妄想でしかない。彼の生涯は一体何だったのか?そこに自分の人生はあったのか?幸せな時期はあったのか?‥と考えさせられてしまう。

 映画の最後で彼は初めて現実に気付くことになるが、テレビのヒーロー番組のように時間を巻き戻すことは出来ない。自分をヒーローだと勘違いした生涯は確かに滑稽かもしれないが、同時に余りにも悲劇的でドラマチックである。現実と喧嘩して背を向けて生きたその姿に哀愁を見てしまう。

 監督・脚本はジャコ・ヴァン・ドルマン。これが彼の長編デビュー作となる。ビターな現実世界に時折スウィートな空想表現を入れるのが彼の作品の特徴で、例えば今回で言えば、トマがトト探偵に変身してテレビの中で大活躍するシーンは正に彼の特性が現れたシーンであろう。ドルマンのこの特徴は次作「八日目」(1996ベルギー仏)で更に劇的に突き詰められ、作品そのものをもはや寓話の域にまで押し上げる。

 この独特な作風が好きなのでぜひ新作を見せて欲しいのだが、彼は寡作な作家という事でも知られている。しかし、そのドルマンが前作から10年以上経ってようやく3作目を発表するという事である。
一応トレーラーを貼っておくので、興味のある方はご覧ください。


どうやらSF映画みたいなのだが‥。日本では公開されるのだろうか?
[ 2009/07/31 00:41 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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