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劔岳 点の記

映像は見応えあり。
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「劔岳 点の記」(2008日)星3
ジャンル人間ドラマ・ジャンルアクション
(あらすじ)
 明治39年、陸軍陸地測量部の柴崎に前人未到の劔岳の登頂と測量が命じられる。彼は指南を請うべく前任の測量技師古田の元を訪ねた。そこで現地の案内人として長次郎を紹介してもらう。早速、長次郎と下見を始めたが、柴崎は改めて今回の登頂の難しさに愕然とした。一方で、日本山岳会も劔岳を目指して出発の準備を始めていた。これに焦りを感じ始めたのが測量部の上官達である。柴崎にかかる責任は益々重いものとなっていく。いよいよ彼は部下を引き連れて劔岳に向けて出発するのだが‥。
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(レビュー)
 難攻不落と言われた劔岳登頂を成し遂げた陸軍測量部の真実の物語。

 監督はこれが初演出となる木村大作。これまでに多くの大作・名作を撮ってきたベテラン・カメラマンである。彼自身、渾身の力作と言うだけあって、吹雪の中で敢行された迫力の映像は大いに見応えがある。美しく雄大な自然風景が素晴らしい。昨今、こうした堂々とした大作感溢れる映像を見せてくれる日本映画は少なくなってしまった。それを見れただけでも本作の意味がある。

 しかし、映像が見事な反面、ドラマはいたって平板で面白みに欠ける。木村監督がかつて撮影を勤めた「八甲田山」(1977日)。あの時の過酷な撮影逸話は語り草になっているが、今回はドラマも映像もよく似たテイストを持っている。しかも、柴崎、長次郎、信といった主要3名の人間ドラマはいずれも薄味である。あくまで雄大な自然が「主」であり、キャラクターはその中に組み込まれた「従」でしかない。ドラマのバイブレーションとしては乏しいといわざるを得ない。

 また、演出も所々に不自然、不安定な箇所が見られる。例えば、新井浩文演じる記者が登場するシーンはどれも同じパターンで、この辺りには変化の工夫が欲しい。また、所々にインサートされる野生動物の姿に意味を持たないものが多い。いくら一流のカメラマンだとしても、やはり監督としての手腕は並ということになろうか。このあたりは初演出ということなので仕方がないかもしれない。

 キャスティングについても一部で不満が残った。まず、柴崎を演じた浅野忠信は、存在そのものがすでに特異なキャラクターとして確立された稀有な俳優である。過酷な大自然に立ち向かうには、芯の強さ、泥臭さが必要不可欠だと思うが、彼にそれを望むのはいささか無理があるような気がした。それは「八甲田山」における北大路欣也を見れば一目瞭然だ。浅野忠信には、芯の強さ、泥臭さが足りない。観ている最中、終始役柄とのギャップは埋められなかった。また、陸軍少将を演じる笹野高史も、あの飄々とした顔に冷血漢は似つかわしくない。
 一方で良かったのは香川照之。彼の熱演はやはり魅せる。また、唯一の主要女性キャラである柴崎の妻役宮崎あおいも可憐で健気に撮られていて良かった。出番が少ないのが勿体無いくらいであった。
[ 2009/08/02 00:42 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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