無理ありすぎな設定なので、ある程度割り切って見るべし。
「アレックス・ライダー」(2006英米)
ジャンルアクション・ジャンルサスペンス
(あらすじ) アレックスは見た目はどこにでもいる普通の中学生。しかし、育ての親である叔父からあらゆる格闘術、語学を教え込まれたスーパー少年である。その叔父が何者かに殺された。真相を探る中で叔父がMI6の諜報員だった事を知る。MI6にスカウトされたアレックスは、叔父を殺した宿敵セイルの陰謀に立ち向かっていくことになる。
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(レビュー) 少年スパイの活躍を描いたアクション作品。
破天荒な設定に隙間だらけのストーリー展開。正直、サスペンスとしての面白み、緊張感に欠ける内容である。クライマックスに行くに連れて展開はグダグダになっていくのも難。計算づくの隙だらけなバカ映画であれば、それはそれで割り切って楽しめたかもしれないが、そもそもの作りがライトコメディなトーンなのでそれもしずらい。例えば、スパイグッズがおもちゃ屋の裏で開発されている‥なんていう設定は面白いのだが、このノリがもっと欲しかった。対象年齢が下になるが、この手の作品ではR・ロドリゲス監督の「スパイ・キッズ」(2001米)の方が断然楽しめた。あるいは、故R・フェニックス主演の「リトル・ニキータ」(1988米)の方が、スパイだった両親の暗い過去に一定のリアリティがある分、まだサスペンスとしての楽しみ方が出来た。
本作はサスペンスドラマとしてのリアリティが薄っぺらい上に、かといってバカ映画に徹することも出来ず、結局中途半端な作品になってしまっている。
アレックスが美形少年ということでアイドル映画的な要素を持った作品なので、彼目当てで見れば楽しめると思うが、本格的なスパイ映画を望むと肩透かしを食らう作品である。
しかし、ことアクションシーンに関して言えば中々見応えがあり満足できた。何と言っても、アクション監督に香港映画界に”この人あり”と言われるD・イェンが携わっていることが大きい。前半のBMXを使ったチェイスシーン、その後に続く武術アクションは中々迫力がある。編集も上手い。
尚、本作は様々な伏線を残したまま終わっている。原作はシリーズ化もされているベストセラー小説で、あるいは映画の方もシリーズ化‥なんてこともあるのかもしれない。但し、今のところは次回作は未定である。