クローネンバーグが悪役を演じているところが見所。
「ミディアン」(1990米)
ジャンルホラー・ジャンルファンタジー
(あらすじ) ブーンは魔物に追われる悪夢を毎晩のように見ていた。そのことを精神科医デッカーに相談する。ところが、実は彼は連続殺人鬼で、ブーンはデッカーの罠によってその罪を着せられてしまう。そして、無残にも逃走中に射殺されてしまった。その後、死んだはずのブーンは不思議な魔力によって蘇る。それは彼が見た悪夢と関係していた。
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(レビュー) ミディアン(死都)に住む魔物達と人間達の戦いを描いたアクションスリラー。
魔物対人類という壮大なスケールを持ちながら、予算が少ないせいで、どこかの片田舎というミニマムな状況で物語は展開され、こじんまりとした内容になっている。いかにもB級映画的なつくりだ。肝心のドラマも突っ込みどころが満載で決して褒められた出来ではない。軽快なテンポで進む前半はまだ見れるが、ブーンが蘇って以降の展開がタルい。
ドラマはともかくして、クリーチャーの造形や彼等が住処とする死都のビジュアル・クリエイションは中々見応えがあった。低予算ながらも、クライマックスにはちゃんとドンパチも用意されておりそこそこ楽しめる。
監督は「ヘル・レイザー」(1987米)等で知られるホラー作家C・バーカー。「ヘル・レイザー」の顔中棘々の怪物は未だに強烈に印象に残っているが、本作に登場する魔物達もそれと同等の、あるいは更に奇抜な容姿をしている。基本的はに半獣人なデザインで、怖いと言うよりもどちらかというとダーク・ファンタジーの住人といった造形で面白い。生理的に受け付けないものから、ちょっとユーモラスなものまで、様々な魔物達が登場してくるのが見所か。
尚、デッカー役を鬼才D・クローネンバーグが演じている。布袋を被った猟奇殺人鬼という役どころをラジカルに演じていて、これが実に似合っていた。