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約束の旅路

約束の旅路 デラックス版 [DVD]約束の旅路 デラックス版 [DVD]
(2007/10/24)
アルマンド・アマール

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「約束の旅路」(2005仏)星3
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 少年シュロモは母と一緒に故国エチオピアを追われてスーダンの難民キャンプにやって来た。母はもうこれ以上行けないと言い、シェロモ一人をイスラエル行のバスに乗せた。着いた先でシェロモはユダヤ人の振りをしながら新しい暮らしを始める。しかし、周囲の環境に中々馴染めず心は次第に荒んでいった。そんなある日、彼の前にフランス出身の里親が現れる。彼等と暮らすことになったシェロモは次第に普通の日常を取り戻していった。しかし、彼の心からはスーダンに残してきた母の面影が離れることはなかった。
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(レビュー)
 エチオピア系ユダヤ人をイスラエルに脱出させた「モーセ作戦」(1984年頃)。約8千名の命が救われたというこの歴史的真実を、一人の少年の目を通して描いた感動のドラマである。

 この歴史については全くの無知でこの映画を見て初めて知った。先日このブログで「さすらいの航海」(1976英スペイン)という作品を紹介したが、あれはユダヤ人をナチス政権下のドイツから救った実話のドラマだった。難民を救う物語‥というと少し美談がかったドラマと思いがちだが、本作も「さすらいに航海」もじっくりと腰を据えた作りになっていて、偽善的な嫌らしさは余り感じられない。製作サイドの意図は、あくまで歴史的事実をそのまま伝えようとすること。その一点であり、決して過度な演出で真実を歪曲するような事をしていない所に好感が持てた。

 また、本作はこうした歴史的事実は一背景に抑えられており、あくまで物語はシェロモの成長に焦点を当てて展開されている。骨太な社会派作品にすることよりも、誰もが入り込めるように普遍的な人間ドラマとして料理しているのだ。これにも好感が持てた。
 ただし、宗教問題や民族問題についての一定の予備知識がないと理解しづらい部分もある。このあたりの設定は見る前に予め掴んでおいた方がいいだろう。

 シェロモの成長ドラマは、幼年期、少年期、青年期という3つのパートに分かれて展開されていく。この中では幼年期が一番面白く見れた。彼はユダヤ人になりきることで、イスラエルの慣習、文化、宗教のギャップと格闘していく。そして、夜になると空に浮かぶ月を見て故郷のこと、母のことを思い浮かべ涙する。エチオピア人でありながらユダヤ人として生きるこの苦しみ‥。まだ年端も行かない孤独な少年にとって、これほど過酷なアイデンティティーの混迷は無いだろう。そして、そんな試練を彼に課すこの現実とは一体何なのか?見ていて実に切なくさせられた。

 その後、ドラマは俳優を変えて少年期、青年期へと続いていく。しかし、少年期はともかく青年期になると、あの泣き虫シェロモはすっかり立派に成長し、何だか達観したような小生意気さが加わりちょっと共感しにくいキャラになってしまった。幼年期と少年期を面白く見せていたアイデンティティーの追求が青年期ではほぼ克服され、ドラマの求心力も弱まってしまったせいもあろう。少し味気ないものになってしまっている。無論、彼の成長がテーマなのだから、この過程は当然の成り行きと言えるのだが、しかし社会貢献活動まで行ってしまうと少し立派過ぎやしないか?という嫌らしさを感じてしまった。
[ 2009/10/10 04:37 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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