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ミスター・ロンリー

マイケル・ジャクソンもこんな孤独を抱えていたのだろうか‥。
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(2008/08/08)
ディエゴ・ルナサマンサ・モートン

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「ミスター・ロンリー」(2007英仏)hoshi2.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンルコメディ
(あらすじ)

 幼い頃から自分という人間に違和感を持ち、マイケル・ジャクソンになりきって生きる青年がいた。今は物真似の仕事をしているが全然売れない。ある日、仕事先でマリリン・モンローとして生きる女性に出会い恋に落ちる。彼女から自分達と同じ物真似芸人が集う島に招待されたマイケルはそこで楽しい一時を過ごした。しかし、モンローにはチャップリンの物真似をする夫がいて‥。
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(レビュー)
 アイデンティティーを確立できない孤独な物真似芸人の成長を奇抜なタッチで描いた青春ドラマ。

 監督・脚本はインディペンデント界の異才H・コリン。ストーリーよりも映像、キャラクターで見せるタイプの監督である。前作「ジュリアン」(1999米)は自然主義を提唱する映像集団ドグマ95との共同製作だったこともあり、彼の映像志向が突き詰められた作品だった。今回もそれと同じ系統の作りになっている。ナチュラルでありながら、所々で凝った映像が見られる。

 本作の主人公はマイケル・ジャクソンになりきって生きる孤独な青年である。映画は、彼が物真似芸人が集うコミューンで体験するエピソードで構成されている。そして、今作にはそれとは無関係にもう一つのエピソードが登場してくる。アフリカ修道院で起こる奇跡のエピソードである。こちらはかなり寓話的なもので、前作「ジュリアン」同様、神に対する怒り、不信といったものが如実に感じられるエピソードとなっている。こうやって見ると、あるいはコリン監督はアンチ・キリストなのかもしれない。

 映画はこの二つのエピソードを行ったり来たりする構成になっている。マイケルのストーリーがメインであるが、個人的には人間を作った神に対する不信を表した修道院のストーリーの方に強いメッセージ性が感じられ面白く見れた。何よりラストが呆気に取られる。それに比べると、マイケルのストーリーは淡々としすぎていてどうにも退屈してしまった。

 映像は所々にセンスの良さが感じられた。コマーシャリズムでキャッチーなものもあれば、島の美観を捉えたフォトジェニックな映像も飛び出してくる。物真似芸人による物真似芸人のための”ウソの世界”を表すには、表面を取り繕うという意味において、この美観は実に合点のいくものに思えた。さしずめ島での暮らしは彼等にとってのオアシス‥といったところだろうか。かえって美しすぎるほど儚く切なくさせたりする。

 物真似されるキャラクターは、モンロー、チャップリン、J・ディーン、マドンナ、リンカーン大統領等、かなりの有名人である。いずれも、ちょっと意地悪とも思えるような毒を利かせた造形になっている。中でも、チャップリンの独善振りは強烈だった。明らかに「独裁者」のチャップリンを意図して造形したものであろう。

 ちなみに、偽チャップリンを演じるのは、L・カラックス監督の分身としてアレックス三部作に出演していたD・ラヴァンである。いつの間にこれほどに醜悪な顔になっていたのだろう‥。アレックス三部作が懐かしく思えてくる。そして、本作にはそのL・カラックスもチョイ役で登場してくる。他に鬼才V・ヘルツォークも「ジュリアン」に引き続き登場している。相変わらずの傍若無人ぶりを見せ付けているが、「アギーレ/神の怒り」(1972西独)や「フィツカラルド」(1982西独)といった彼の作品を見ていれば、これが彼の素顔であることは疑いようがない。
[ 2009/11/01 03:13 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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