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マジェスティック

ノスタルジックなファンタジー。
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(2002/11/08)
ジム・キャリーマーティン・ランドー

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「マジェスティック」(2002米)星3
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 1951年のハリウッド。新人脚本家ピーターは赤狩りのとばっちりを受けてクビになる。ヤケ酒を飲み雨の中を車を走らせていた時に事故を起こし川に転落してしまう。目を覚ますとそこは見知らぬ町だった。記憶喪失になった彼は、第二次世界大戦に出兵したまま連絡が途絶えたルークという青年に間違われる。ルークの帰還に町中が大騒ぎになる中、彼はルークの父が経営する閉鎖した映画館の復活に生きがいを見出だすようになる。
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(レビュー)
 記憶喪失になった脚本家が体験する奇跡を通して映画の素晴らしさを謳いあげた感動ドラマ。

 当時のハリウッドの赤狩りを背景に、体制に抗した主人公がヒロイックに描かれている。ただ、メッセージ自体はよく理解できるのだが、いかんせん赤狩りにあった当事者の悲劇というものを具体的に描かなったことでテーマが弱まってしまった。そこがあればクライマックスも俄然説得力が出てきただろう。おそらく製作サイドは、作品のポピュラリズムを得るためには、そういった陰惨な場面は除外した方が得策と判断したのだろう。

 監督はF・ダラボン。「ショーシャンクの空に」(1994米)を初め、S・キング原作を映像化することの多い監督である。得てしてキング原作の映画作品は失敗作が多いと言われる中、ダラボン作に関してはそうでもない。この監督の根本的な資質にホラーやファンタジーといったジャンル映画的な要素が確実にあるからだろう。それは本作を見ても確認できる。ダラボンはキングと相性がいいのである。

 さて、アメリカの良心と言われたのは、ハリウッドの名監督F・キャプラである。本作には彼の映画に似たテイストが感じられる。
 ユーモアを含ませたピーターの好青年ぶり。性善説に基づいた町の人々。町が朴訥とした雰囲気に溢れていること。全てが理想的なアメリカである。そして、その一方で、世の中には悪い奴もいて、彼は庶民を食い物にする富裕層、つまりここで言えば映画を商売の道具にする金の亡者、重役達である。これもまたキャプラの作品ではお馴染みの悪役のパターンだ。今作はこの善と悪の対比を通して人間の良心、夢が啓蒙されている。これは正に往年のキャプラ節そのものと言える。時に夢見すぎな楽天家と評されるキャプラであるが、戦争という悲劇に耐え忍んだ当時の人々がハリウッドの映画で癒されていたのは事実である。今作にも同様の癒しのテイストが貫かれている。

 話がキャプラの映画に逸れてしまったが、要するにこの作品はそういった当時のメルヘンを確信犯的に狙った上で作られているのである。したがって、楽天的過ぎると評して切り捨てるのは野暮というもので、そこに夢や希望を見出しながら鑑賞すべきであろう。

 また、考えてみればリアリティが乏しい"軌跡″のドラマを、まるでファンタジーのように見せるのは実にしっくりといく話法に思える。本作は監督のセンスと古風なドラマが見事に融合した好例だと思う。

 ピーターを演じるのはJ・キャリー。笑いのシーンは上手く演じている。例えば、歓迎会でピアノを弾く場面などは、彼の焦燥感が手に取るように分かって可笑しかった。しかし、彼はシリアスになりきれない俳優であり、例えば泣く演技はどうにも大仰で受け付けない。ここの抑制ができれば名優になれるのだが、残念ながらそこまでの期待は無理だろう。
[ 2009/12/13 04:17 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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