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恋する女たち

アイドル映画の好例。
恋する女たち [DVD]恋する女たち [DVD]
(2006/11/23)
斉藤由貴高井麻巳子

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「恋する女たち」(1986日)star4.gif
ジャンルロマンス・ジャンル青春ドラマ
(あらすじ)
 高校生多佳子は親友汀子と一緒に、クラスメイト緑子の葬儀に付き合わされる。この葬儀は失恋した緑子が昔の自分を殺すために開くもので、もはや恒例となっていた。その帰り道、多佳子は汀子から恋人が出来た事を告白される。緑子も汀子も恋をしている‥。自分ひとりが取り残された気分になって多佳子は内心焦った。そんな彼女にも密かに想いを寄せてる異性はいた。相手はクラスメイトで野球部の主将勝である。ところが、どうしても彼の前では素直になれず喧嘩ばかりしてしまう。そんな多佳子を見つめるもう一人の生徒がいた。多佳子の姉比呂子が家庭教師をしている神崎という下級生である。多佳子にその気は無かったが、勝の試合を一人で見に行くのが恥ずかしいので神崎を誘って見に行くことにした。その帰り際、多佳子はショッキングな光景を目にしてしまう。
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(レビュー)
 恋に恋する女子高生達の姿を綴った青春ロマンス作品。

 少女達の恋愛は、即物的で打算に満ちた大人の愛憎に比べたら、実に淡く切実な想いに溢れていて微笑ましく見れる。このラストには青春特有の清々しさを覚えた。青春とはつまり解放的なものであり大人に脱皮することである。そのことを実感させる見事なカタルシスだった。

 物語は多佳子から見た群像劇になっている。親友汀子、緑子は夫々に個性的な少女で、恋愛の価値観も三者三様、多彩である。

 多佳子は頭で物事を考える文学少女タイプである。勝にどうしても素直に好きと言えず、どうして?という自己問答をひたすら繰り返す。この年頃の純なる思いが素直に伝わってきた。
 汀子は年上の異性に憧れる野心家タイプである。理想と現実のギャップに苦悩するのだが、その葛藤には切なくさせられる。これまた背伸びをしたい年頃の少女にありがちなリアルな心情を切り取っている。
 緑子はかなりストーレートなアイドル気質を持った美少女タイプである。小悪魔的な奔放さが魅力的だ。
 このように夫々の人となりは個性的にコントラストが図られていて、その恋愛価値観も明確に色分けされている。映画を観終わる頃には実に豊穣な鑑賞感を残す。

 また、彼女等以外に更にもう二人のサブキャラが登場してくるのだが、この恋愛観も中々面白い。一人は多佳子の姉比呂子、もう一人は美術部の先輩で絹子というキャラが登場してくる。女子大生の比呂子は、多佳子達に比べると少しリスクを孕んだ大人の恋にのめりこんでいる。それが意外な形で判明する終盤の場面は面白く見れた。絹子は芸術家タイプで恋愛もかなりアート思考である。多佳子にヌードのモデルをせがむレズビアンで、本作で最も尖ったキャラクターで、こちらも中々面白い。

 監督・脚本は大森一樹。原作は氷室冴子のコバルト文庫シリーズの同名小説である。少女の等身大の目線で綴った世界観は、読者の対象を同年代とするこのレーベルの大きな特徴だと思うが、大森一樹はこの方針を崩すことなく、それでいて大人の鑑賞にも堪えるような本格的な女性映画として上手く仕上げている。

 主演は当時人気だったアイドルでキャスティングされている。多佳子役は斉藤由貴。「スケバン刑事」の主演で人気は絶頂に達していた頃だったと思う。随所で複雑な恋心を吐露する好演を見せ、断髪という大胆なシーンにも果敢に挑んでいる。中でも印象に残ったのは、汀子の恋人と対峙するシーンだった。ここでは不意に大人びた顔を見せドキリとさせられた。
 汀子は相楽晴子。こちらも「スケバン刑事Ⅱ」でブレイクしたばかりだったと思う。そして、緑子を演じるのは元おニャン子クラブの高井麻巳子である。演技は今ひとつだがアイドル気質の役所は正に適役と言えよう。主要三人は見事なキャスティングだと思った。
 一方、絹子役の小林聡美だけは少し浮いてる気がした。良く言えば大人びている、悪く言えばおばちゃん風で、高校生という設定の割には少し貫禄がありすぎる。
[ 2009/12/17 01:28 ] ジャンルロマンス | TB(0) | CM(0)

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