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ブルークリスマス

倉本聰が脚本を手がけたユニークなSF映画。カルト映画になっている。
ブルークリスマス [DVD]ブルークリスマス [DVD]
(2006/02/24)
勝野洋竹下景子

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「ブルークリスマス」(1978日)hoshi2.gif
ジャンルSF・ジャンルサスペンス・ジャンルロマンス
(あらすじ)
 UFO存在論者として著名な兵頭教授が講演会場から謎の失踪を遂げた。それをJBC局の記者南が追跡する。教授はイカの血が青いことに着目して何らかの研究をしていた。偶然にもJBCのドラマの主役に抜擢された新人女優高松夕子の血が青いという噂を聞いていた南は、今回の失踪事件に会社が関与しているのではないかと睨む。その頃、世界各地でUFOの目撃情報が相次いでいた。見た者の血は青く変色するという謎の奇病が蔓延する。危機感を募らせた南は兵頭教授がニューヨークにいることを突き止め急遽渡米する。一方、一連のUFO事件の脅威から政府は有事に際して特殊部隊を組織する。隊員の一人、沖は密かに思いを寄せる冴子という女性がいたが、彼女にはある秘密があり‥。
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(レビュー)
 UFO事件を追いかけるテレビ記者と特殊部隊隊員の悲恋を描いたSFサスペンス作品。

 監督岡本喜八、脚本倉本聰というおよそSF映画らしくない布陣は意外性を狙ったものであろう。当然、出来上がったモノも一風変わった作品となっている。名目上SF映画というジャンル分けはされるが、特殊効果はほとんど出てこず、UFOの存在に深く言及されることもない。青い血にまつわる人間ドラマとそれを排除しようとする政治的陰謀にドラマの主眼は置かれている。

 前半は巨大な陰謀を背景に南の追跡取材がサスペンスフルに描かれていく。監督岡本喜八らしい軽快さが中々面白く見せる。

 後半からいよいよドラマは佳境に入っていく。南の取材のエピソードは一旦袖に置かれ、陰謀の犠牲者となる沖と冴子の悲恋が脚本倉本聰らしいウェット感で綴られる。しかし、ここから前半でそれなりにスケール感を期待させたサスペンスはいきなりトーンダウンしてしまう。

 青い血の人間に対する迫害は、未知なる物、異質な物への恐怖心、偏見意識からくるものであることは、劇中に登場するアウシュビッツのニュースフィルムにも明確に示唆されている。しかし、ユダヤ人に対するナチスの迫害は歴史が証明しているという点でリアルな出来事として受けとめることが出来るが、ことSFというフィクショナルな次元で語られてしまうと、どうにもこの青い血騒動はリアリティに欠けてしまう。あるいは、初めからSF映画としての世界観がきちんと図られていたならば、それはそれで素直に受け取れたかもしれない。しかし、この映画は肝心の世界観を極めて同時代的なものとして描いている。つまり70年代の風俗がそこかしこにプンプンと匂って来るので、SF映画として見ることも出来ない。結果的に、青い血の人間に対する迫害の悲劇をいくらそこに織り込んでみても重厚さに欠けてしまうのである。

 更に、そもそもの話をすると、世界規模のパニックがいかにして蔓延していったのか?その過程の作りこみも怠慢に写る。ならば、ゴダールの「アルファビル」(1965仏)やトリフォーの「華氏451」(1966英仏)ほどのセンス・オブ・ワンダーがあるかと言えばそうでもない。ここで語られる悲恋は、わざわざSFという設定を無理に取り入れなくても、いくらでも現代劇で語れるのではないか?そんな風に思えた。

 ちなみに、キャスティングで面白かったのは沖役の勝野洋と彼の同僚役の沖雅也のコンビである。当然「太陽にほえろ!」のテキサスとスコッチのコンビが重な。終盤近くの二人の会話は沖雅也の演技が中々魅せる。彼は一連の青い血騒動を巡って勝野とは別の意見を持ち、そこに彼独自の苦悩が見えてきて面白い。この熱演を見ると、若くして自らの命を絶ってしまったことが惜しまれる。
[ 2009/12/21 00:39 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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