ピクサーの映像は相変わらず素晴らしい。
「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009米)
ジャンルアニメ・ジャンル人間ドラマ・ジャンルアクション・ジャンルファンタジー
(あらすじ) 偏屈じいさんカールは、愛する妻を亡くし孤独な暮らしを送っていた。ある日、自然探検隊に所属する少年ラッセルが訪ねてくる。念願の上級クラスに上がりたいので何か手伝わせて欲しいと言って来た。しかし、カールはそれを軽くあしらって追い返した。その後、周囲の建築ラッシュでカールの家は立ち退きを余儀なくされる。思い出の詰まったこの家を手放したくない。そこで彼は、風船をつけて家を空に飛ばすというアイディアを思いついた。それに乗って亡き妻の夢だったパラダイス・フォールに向けて出発した。ところが、知らぬ間にそこにラッセルが乗り込んでいて‥。
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(レビュー) 孤独な老人とワケあり少年の冒険を綴ったディズニー・アニメーション。
製作ピクサーのブランドは伊達じゃない。映像のクオリティーは申し分無く、キャラクターの表情、動きのリアリティーは言わずもがな。作品のモティーフである”空飛ぶ家”のファンタジックな美しさが素晴らしかった。
ピクサーは、これまで作品を発表するごとに映像技術の新しい試みに挑戦してきた。例えば、「モンスターズ・インク」(2001米)の毛並みの表現、「ファインディング・ニモ」(2003米)の水の表現、「Mr.インクレディブル」(2004米)の布の質感表現、
「ウォ-リー」(2008米)の錆びた鉄の表現等。飽くなき表現へのこだわりが、クオリティの維持に繋がっていることは、作品を見た者ならば誰もが感じるところであろう。ブランドとして確立されたにも関わらず、新たな表現を追及し続けるこの姿勢には感服してしまう。
さて、そんなピクサーが今回挑戦したのは何だったのか?見る前から興味津々だった。
しかし、アニメーションの表現技術に関して言えば、実のところ今回は新しいものは見られなかった。CGによるリアルさを追求したこれまでの方向性を封印し、朴訥とした温かみのある昔ながらの”アニメーションらしさ”を狙っているかのような印象を受けた。今回は技術よりもドラマ性で勝負‥そんなことを感じた。
ストーリーの方は、簡単に言ってしまえば老人の”喪の仕事”を描くというものである。テーマが子供向けと言えるか?という疑問は残るが、愛する人を失った孤独と喪失、そこからの再生というテーマは普遍的なものとして受け止める事が出来た。その喪失感を描く冒頭10分が素晴らしい出来栄えで、図らずも涙腺が緩んでしまった。たった10分なのにこの感動!演出の上手さもさることながら、物語が持つ普遍性がそうさせるのだろう。
ただ、目的地まであと一歩‥というあたりから急に盛り上がりに欠けてしまう。ここからアクションとサスペンスで見せていくのだが、これが今ひとつ‥。ここでメインとなるのはカールとラッセルの友情、擬似親子関係の構築である。肝となるのは二人の交流をいかにペーソスを交えて描くかと言うことになるのだが、アクションとサスペンスを必要以上に持ち込んだことで淡白なものになってしまった。ラッセルの”ある告白”にはしみじみとさせられたが、感銘を受けたのはこの部分だけで、あとは鳥騒動でドラマが掻き回され少々辟易してしまった。むろんこれがラッセルの孤独を写しだす換喩になっているのは分かるのだが、だとしても捕った、捕られたの騒動ばかりに物語の目が行き過ぎる。子供向けにエンタテインメント性を盛り込んだのだろうが、老人の喪の仕事という本来のテーマに上手くかみ合っていないような印象を持った。
尚、今回は3Dでの鑑賞だったが、先日の
「アバター」(2009米)に比べるとわざわざ3Dで見る必要性が余り無かったように思った。アクションシーンの一部に迫力が増すような演出が取られていたが、それ以外は概ね平面な画作りで余り3Dの恩恵に預かっていない。また、今回の座席はやや後方だったのだが、鑑賞する時は大画面で、しかも心持ち前の方が迫力が増して良いと後悔した次第である。
おはようございます、ありのさん。実は僕この作品4回も見ているんです。
それに、この作品にテプイことテーブルマウンテンが登場するのですが、それを見たときjinki:extendをすぐに思い出してしまうのはなぜでしょう?それから、この映画を見て気付いたのは、吹き替え版の一部のテロップが(「売約済み」の看板そしてエリーが書き残していた言葉「私のことは心配しなくていいからあなたは新しい冒険を始めて!ありがとうそして愛をこめてエリーより。」)日本語に変わってるんですよね。それから、赤ちゃん(人間、動物)を生み出す雲とそれを運ぶコウノトリの物語「晴れときどきくもり」(約6分)も同時公開されていました。(本編開始前に短編アニメを必ず見せる。)映画館で予告編とチラシを見たのですが、ディズニーの新作映画が目立つ。正式決定してるものだと、2月6日にはトイ・ストーリー1&2が3D版で期間限定で上映されるのと、3月6日にはプリンセスと魔法のキスという長編アニメが公開され、3月20日にはスパイアニマルGフォースが、4月17日にはティム・バートン監督/ジョニー・デップ主演のアリス・イン・ワンダー・ランドが、7月にはトイ・ストーリー3が公開されます。今日は、山田洋次監督作品版の「おとうと」が公開されるそうですが、どうでしょうか?それに「魔法少女リリカルなのはmovie1st」を見てみたいけど、「時間と余裕」がない。最後に、ありのさんへ「オーシャンズ」はとてもすばらしい作品ですので是非見て下さい。
こんばんは、にょろ~んさん。
4回もご覧になるとは相当お好きなんですね(^_^)
吹き替え版ではオープニングタイトルからして日本語になってましたね。ご指摘の通り看板やアルバムの文字も日本語になっていたし、こういったところは子供にも分かりやすいように親切が図られていたと思います。
それに、心配していた声優も違和感無く聞けました。飯塚昭三さんのカールじいさんは合い過ぎww
予告で見た感じでは「アリス・イン・ワンダー・ランド」「トイ・ストーリー3」に期待したいです。
こんにちは!ありのさんへ、書き込みありがとうございます。「カールじいさん~」本篇そのものも面白かったのですが、その前に公開される「晴れときどきくもり(約6分)」という作品ですが、物語をまとめると空の上では雲たちがミラクルな力で命を生み出し(人間や動物赤ん坊。)それをコウノトリが運んでいました。そこから離れた精鋭集団から離れた所からある雲とコウノトリさんがいました。その雲が生み出すのがワニ、ヤギ、ハリネズミ、サメ、電気ウナギというびっくりするものばかりでした。最後のオチでコウノトリ君がアメフトのヘルメットとプロテクタを身につけて出てきたのは笑えました。(その後電気ウナギを抱きかかえてしびれてたけど。)それから、カール・フレドリクセン役の飯塚昭三さんはテレビの特撮番組の悪の首領・幹部役を演じそしてTVアニメ版スティッチ!の「自称悪の天才科学者ジャンバ」を演じています。大塚芳忠さん演じるマンツ陣営犬軍団のボスアルファは、声に特殊なエフェクトをかけているそうです。あと、この作品で気付いたことがあるのですが、犬たちが谷底に落下して川に落ちていく場面があって、その場面だけ一瞬実写になるんですよ。pixarの長編作品は3DCGに少しだけ実写を織りまぜている部分もあるのでしょうか?
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