そつの無い作りで楽しめる。
「オーシャンズ11」(2001米)
ジャンルサスペンス・ジャンルコメディ
(あらすじ) 刑務所から出所した詐欺師ダニー・オーシャンは、相棒ラスと共に次の仕事に取り掛かる。それは、ラスベガス最大のカジノの地下金庫から1億6千万ドルを強奪するというもの。二人は各分野のプロフェッショナルをスカウトして計画を実行に移していく。
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(レビュー) F・シナトラ主演の犯罪映画「オーシャンと十一人の仲間」(1960米)を、現代に置き換えて作ったリメイク作品。個性的なエキスパート達の現金強奪計画をスタイリッシュに描いている。
監督はS・ソダーバーグ。キャストはJ・クルーニー、B・ピット、J・ロバーツ等、豪華なスターが登場する。オリジナル版のキャストが主演のF・シナトラを始め彼の仲間内で占められていたのに対し、本作にはJ・クルーニーとソダーバーグの交友関係が多く目立つ。そういう意味では、リメイク化の発端にこの二人の存在ありき‥と見ていいだろう。実際に仲間内で楽しそうに作っているのがありありと見て取れる。
物語は基本的にはオリジナル版を踏襲したプロットで進行する。ただ、メンバーに若干の設定変更があったり、ロマンスを絡めた点はオリジナル版には無いサービスである。娯楽色を強めたという感じか。いずれにせよ、今ひとつの印象だったオリジナル版に比べると色々と工夫が凝らされている。
早々に仲間を集めてしまうのも良い。オリジナル版はこの部分が退屈した。軽快な展開にややご都合主義的な部分も目立つが、娯楽に徹したということを考えれば、突っ込みを入れても仕方が無いだろう。ただ、欲を言えばロマンスパートはもう少し掘り下げて欲しかった気もする。
また、ピカレスクロマンの傑作「トプカピ」(1964米)やイタリア気質な快作「黄金の7人」(1965伊)といった、この手の泥棒稼業映画に対するオマージュ・シーンも面白く見させてもらった。単なる焼き直しと取れなくも無いが、決して郷愁に溺れることなく極めて現代風のタッチを貫いて見せた所にソダーバーグの手腕を感じる。
尚、本作のヒットを得て第2作「オーシャンズ12」(2004米)が製作された。クルーニー一家とソダーバーグのコンビは正に乗りに乗っているといった感じである。鑑賞順は前後してしまったが「オーシャンズ12」についての記事は
こちらを参照のこと。