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プレシャス

女性は必見!
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「プレシャス」(2009米)star4.gif
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 1987年ニューヨークのハーレム。16歳の黒人少女プレシャスは二人目の子供を妊娠している。肥満体の体型を学校ではバカにされ、友達はひとりもいない。家では生活保護を受ける母から虐待を受けていた。そんな鬱屈した暮らしの中で、彼女は人知れず空想にふける。今の自分とは違う華やかな姿を思い浮かべ、いつか幸せを‥と夢をはせるのであった。そんなある日、教師は彼女にフリー・スクールへの転入を勧める。反対する母に内緒でプレシャスは入学した。そこでの様々な出会いが彼女の運命を少しずつ切り開いていく。
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(レビュー)
 夢も希望も無い底辺社会に生きる黒人少女プレシャスが、母となり、過去のしがらみから解放され自立してく姿を感動的に綴った女性ドラマ。

 当時のハーレムに住む子供たちは十分な教育を受けられず、プレシャスのような非識字で苦しむ子供達がたくさんいた。雑多な人種が住む土地柄、犯罪も多い。貧困によるDVもあった。プレシャスはこの劣悪な環境の中で、まったくと言っていいほど先の見えない暗い青春時代を送っている。彼女のお腹にはすでに二人目の赤ん坊がいるが、その父親の正体を知ると更にやりきれない思いにさせられる。彼女が妄想の中に逃げ込むのも、無理もない話である。

 そんなプレシャスの悲惨な境遇を知った教師は、彼女に読み書きの出来ない子供達が勉強するフリー・スクールに入学することを勧める。ドラマはここから一転、上昇志向になっていく。優しい教師、同じように心に傷を抱えたクラスメイト達。彼等との交流を通してプレシャスの人生は徐々に輝いていくようになる。「プレシャス」=「宝物」という名前に相応しい笑顔がとても魅力的だ。外見は相撲取りのような巨漢で決して良いとは言えないが、内面が美しく輝けばそれが表にも滲み出てくる。

 物語はクライマックスにかけて感動的な盛り上がりを見せる。プレシャスの幸せの”カセ”として虐待母との対峙が用意されているが、ここで下した彼女の決断は実に天晴れに思えた。母として、自立した女性としての成長が感じられ胸を打つ。

 プレシャスを演じた女優はこれが映画初出演の新人である。本作でアカデミー賞主演女優賞ノミネートというのだから、正にシンデレラ・ストーリだ。ただ、この特徴的な体型がキャラクター造形の手助けになったことは間違いない。演技自体は未知数で、本作だけでは評価のしようが無いというのが正直な感想である。
 一方、母親役を演じたモニークの好演は光る。彼女は本作で見事に助演女優賞を受賞している。ふてぶてしい態度を貫くが、それとのギャップで見せるクライマックスの涙が印象に残った。彼女には彼女なりの悲しみ、苦しみがあったことを、この涙が物語っている。
 他に、M・キャリー、L・クラヴィッツといったアーティストも出演している。

 演出に関しては、残念ながら引っ掛かる部分が幾つかあった。全体的に統一感が無い。カメラのズームやブレでドキュメンタリー・タッチを狙うシーンがあるかと思えば、時折プレシャスが見る妄想のようにフィクショナルなタッチが混入される。重苦しいテーマを華やかに装飾したフィクショナルなタッチで中和しようという狙いは買うが、それが少し”しつこい”感じを受けた。個人的には、鏡の中に写るもう一人の自分の姿、最後の赤いスカーフ‥このくらいに抑制されてくれた方が映画を自然に見ることができる。
[ 2010/04/28 04:00 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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