水増し展開でガッカリ。
「ソウ5」(2008米)
ジャンルサスペンス・ジャンルホラー
(あらすじ) 連続殺人鬼ジグソウの死後、ホフマン刑事は事件解決の英雄として賞賛される。彼と同じく死の罠から軌跡の生還を果たしたFBI捜査官ストラムは、ホフマンがジグソウの後継者ではないかと睨み独自の捜査を開始する。その頃、とある地下室で鎖につながれた5人の男女が目を覚ました。彼等は新ジグソウが仕掛ける死のゲームに挑んでいく。
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(レビュー) 第二のジグソウを追いかけるFBI捜査官の奔走を描いたシリーズ第5弾。
前作の生き残りストラム捜査官を中心とした謎解きサスペンスだが、申し訳ないのだがこのキャラクターをまったく覚えていなかった。
「ソウ4」(2007米)のクレジットを調べると確かに出ていたのだが印象が薄い。もはや常連さん御用達なシリーズであるが、まさかここまで隙間をついてくるとは‥。おまけに主役であるジグソウは、
「ソウ3」(2006米)ですでに死んでいるのにどこまで引っ張るつもりなのか?このシリーズ、ここまで来ると余程コアなファンしか需要としていないことが分かる。とか言いつつ、俺も付き合っているのだから結構な物好きであるが‥。
しかしながら、正直なところ今回はこれまでの中で一番退屈した作品だった。生前のジグソウとホフマン刑事の繋がりは前作で判明していることであり、それを今回改めて説明する必要があったのかどうか?この映画全体がものすごく蛇足な気がしてならない。もしかしたら、今回描かれた事が後の伏線になっている可能性もあるのだが、だとしても作品単体として見た場合この映画はミステリにすらなってない。この程度の話なら30分くらいにまとめて早々に次の展開に入って欲しい。水で薄めるようなドラマは見ていて非常に退屈だ。
ストラムの捜査の一方で5人の男女の脱出劇も描かれているが、こちらも今までの作品に比べるとサスペンスの緊張感が薄い。オチにはなるほどと思わされたが、そもそもこのシリーズの一番の見せ場である残酷な仕掛け。そこに斬新さが無い。
思うに、監督の演出力が響いているのではないだろうか。今回はこれまでプロダクション・デザインを手がけてきた人物が初監督を務めている。シリーズ2~4とは違う監督で、そのせいで作風が若干”もっさり”としている。タイムリミット感を煽る演出等、スピードが命の本シリーズにあって、これじゃいかんと思う。
尚、途中でジグソウの元妻が遺品を手にするのだが、これについては謎のままである。おそらく続編で明らかにされるのだろうが、さすがにもう付き合いきれなくなってきたなぁ‥。