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クレイジー・ハート

J・ブリッジスの演技と主題歌、これに尽きる。
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「クレイジー・ハート」(2009米)star4.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンル音楽
(あらすじ)
 落ちぶれたカントリー歌手バッド・ブレイクは、アルコールに溺れ場末の酒場を転々としながら過去の名曲を歌っていた。ある日、彼を取材したいという女性記者ジーンと出会う。ジーンは幼い息子を抱えるシングルマザーで、二人は急速に惹かれ合っていく。そんなある日、バッドの元に新しい仕事の連絡が舞い込んで来る。それは人気歌手トミーの前座に出演するというものだった。実は、トミーはかつての相棒であり弟子である。決別したトミーとの競演は彼のプライドをひどく傷つけたが、背に腹は変えられない。バッドはジーンに別れを告げてコンサート会場へ向かった。これで未来は切り開ける‥そう思った矢先、バッドは自動車事故にあってしまう。
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(レビュー)
 アルコール浸りの老カントリー歌手が、子供思いのシングルマザーと出会うことで再生していく音楽ドラマ。

 バッドを演じるのはJ・ブリッジス。自身で歌も披露し本作で見事にアカデミー主演男優賞を受賞した。歌も中々上手いし、枯れた演技も味わい深い。一見すると淡々とした演技に写るが、実はかなり計算して役作りしているのではないかと思想像できる。

 例えば、ジーンとの出会い、別れ、再会というシーケンスにおける、バッドの変化に注目してみたい。更生の姿を生活態度や服装の中に刻々と見せながら、過去の結婚生活の失敗がトラウマのようにこびりついていることがはっきりとその姿から伺える。つまり、もうニ度と失敗は許せない、これが最後のチャンス‥そんな思いが先走っているように見えるのだ。レトロなカントリーソングに対する執着にしてもそうだが、バッドは未来を見ているようで、実は過去を振り返りながら生きてるような気がする。この“過去を背負う男”というのが、J・ブリッジスの野暮ったい佇まいにピタリとハマッているのだ。情けなくも愛すべき男の哀愁が感じられて実に良い。
 また、ジーンの息子との触れ合いについても、同様に回顧癖が感じられた。彼には離れて暮らす息子がいる。もしかしたら心のどこかでその息子のことを思い描きながら、この擬似親子関係に潤いを求めているのではないか‥。そんな寂しさが彼の笑顔の裏側に見て取れる。
 このようにバッドのバックストーリーを鑑みると、J・ブリッジスの演技は実に懐の深いものに見えてくる。正に主演男優賞も納得という演技に思えた。

 J・ブリッジスの俳優歴はかなり長い。中には役柄に恵まれた作品もあったが、決して大成することはなかった。それがここに来て花開いたということは実に嬉しく思う。
 彼の作品の全てを見ているわけではないが、俺が思うJ・ブリッジスという俳優の魅力は”少年性”にあると思う。
 彼は出世作「ラスト・ショー」(1971米)で年相応のナイーブな少年を演じ脚光を浴びた。C・イーストウッド主演の痛快アクション「サンダーボルト」(1974米)では無鉄砲なヤクザ少年を演じ、最近では「ビッグ・リボウスキ」(1998米)の無職のヒッピーオヤジを演じていた。やんちゃな性格で周囲を引っ掻き回す。そんな大人になりきれないダメ人間を生き生きと演じさせると上手い。そして、彼の”少年性”をそのまま地で行ったのがコッポラ監督の「タッカー」(1988米)だろう。ここでは幼い頃の夢である車作りを実現させる事業家を演じていた。これらのキャラクターに共通して言える事は、いずれも”少年性”を秘めているということである。
 そして、今回のバッドにも、J・ブリッジスの”少年性”は感じられた。彼は時代遅れのカントリーソングを愚直に歌い続ける。そこに打算や処世は一切はたらかない。この純粋さは、正に彼の“少年性”の表れだろう。ベッドに寝転がってギターを爪弾く姿は正に少年の姿そのもののように見えた。

 そんなバッドの人生が結実したかのようなラスト・ソングは実に感動的で、俺の心を震わせてくれた。ドラマはいたって地味であるし、再生ドラマとしては紋切り的な部分もあるが、正に一点集中の作りが奏功しツボに入って思わずホロリとさせられてしまった。

 他のキャストもまずまずの好演を見せている。ジーンを演じるM・ギレンホールは強く逞しいシングルマザーを快活に体現している。トミー役のC・ファレルのバッドに対する敬愛も好感が持てた。
 そして、バッドの行きつけのバーの店主としてR・デヴァルが登場してくる。これは何とも嬉しいサプライズだった。彼もまた「テンダー・マーシー」(1982米)でアル中のカントリー歌手を演じアカデミー賞主演男優賞を受賞した。本作では何と久しぶりに歌まで披露し、これは当然狙ったキャスティングだろう。実に心憎い。
[ 2010/07/10 01:40 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(2)

おはようございます、ありのさん。
まさに名優ジェフ。ブリッジスここにありという作品を印象付けた作品ですね。昨日は、「トロン・レガシーデジタル3Dver.」を見たのですが、この作品にも出演していて(創造主ケヴィン・フリンと電脳世界の独裁者になったプログラムクルーの二役。)これ見てびっくりしたのが、現在のジェフ・ブリッジスさんと若き日(1982年版トロンに出ていた頃)のジェフ・ブリッジスさんが二人同時に共演していたことも話題を呼びました。(その撮影の様子の一部もテレビ番組で取り上げられたほどです。)さらに、「オープニングロゴ」のシンデレラ城も「トロンレガシーのきらきら光るグリッド仕様」になっていました。それに、「ライトサイクル」や「ライトランナー」などの電脳世界の凄いメカもたくさん登場していました。あと、この作品の音楽を担当しているフランス2人組テクノユニット「ダフトパンク」の皆さんもこっそり出演してるんです。
[ 2010/12/20 08:53 ] [ 編集 ]

こんばんは、にょろ~ん。さん。
J・ブリッジスはここに来てまたブレイクしてますね。
「トロン」の二役は技術の進歩の成せる技ですね。本物の俳優が必要なくなってくる‥そんな時代もそのうち来るかもしれません。
[ 2010/12/21 01:34 ] [ 編集 ]

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