おふざけ感がたっぷり詰まったアクションシーンが良い。
「プレデターズ」(2010米)
ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ) 傭兵のロイスは気が付くと見知らぬ惑星に放り出されていた。そこには彼と同じようにこの惑星に連れてこられた人間たちがいた。女スナイパー、ロシア特殊部隊の隊員、死刑囚、ヤクザ、医師等。彼等は未知なる敵プレデターの狩猟の獲物としてここに連れてこられたのだった。
goo映画映画生活ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!


(レビュー) シュワちゃん主演のSFアクション「プレデター」(1987米)から約20年。人間とプレデターの壮絶な戦いを描いたシリーズ最新作。
未だに根強いファンが多い本シリーズだが、最強最悪のエイリアン、プレデターの凶悪さは地球最強のヒーロー、シュワちゃんとの死闘をもって確立されたモンスターと言っていいだろう。第1作は昔TVで見て光学迷彩のアイディアに驚嘆したものだった。それを引き継いで製作された第2作は、肝心のシュワちゃん抜きという事でどうも見る気が起きず今に到っている。その上で本作を見た。
ストーリーはあって無きが如し。いたってシンプルである。前作からの関連性や複雑な設定等は絡んでこないので、未見でもとりあえず楽しめる内容になっている。ただ、第1作は抑えておいた方が色々と都合が良いと思う。というのも、第1作のオマージュが幾つか出てくるからだ。知っていると知っていないとでは、楽しみ方が違ってくると思う。
アクションシーンは中々切れがあって良かったと思う。製作と視覚効果監修にR・ロドリゲスが噛んでいるので、ただひたすらバカなものを予想していたのだが、その期待には十分応えてくれている。
例えば、L・フィッシュバーンやD・トレホといった癖のある俳優たちをほとんど冗談みたいな扱いにしてしまった所。ヤクザ=日本刀という安直な思考もバカバカしくて笑える。
そもそも、登場人物が皆悪人、もしくは殺しのプロという偏った面子であるからして、彼等のズルさ、他人を踏み台にしてまでも生き残ろうとする姑息さは映画的スリリングに満ちている。そこをアクション主体で攻め切った構成は潔い。
また、その他の脇役についても色々と見るべきものがあった。決して全部のキャラを上手く料理し切れているわけではないが、中々の曲者揃いで楽しめた。
その反面、主役に関しては不満が残った。A・ブロディはどう見てもプレデターと対決するには貧弱すぎる。意外性を狙ってのキャスティングだろうが、だとしたら逆手に取った”効果”というものをもっと前面に出すべきだったのではないだろうか。シュワルツネッガーでも第2作の主演D・グローヴァーでもない、彼には彼しか表現できないキャラがあったはずである。それを証明してくれるような場面を1箇所でもいいから見せて欲しかった。
それと、L・フィッシュバーンが登場して以降の中盤はだれる。そもそも、彼は物語を語る上で絶対に必要というわけでないし、アクションも休憩に入ってしまうので退屈してしまう。人物紹介の作劇と敵から追われるサスペンスで引っ張った前半の勢いが、ここに来て失速してしまうのは惜しかった。このあたりの作り方はもう少し工夫して欲しかった。