毛並みに表現が素晴らしい。
「スチュアート・リトル」(2000米)
ジャンルファンタジー・ジャンルコメディ
(あらすじ) リトル夫妻は小学生の息子ジョージのためにスチュアートというネズミを養子にした。突然ネズミの弟が出来たことにジョージは不満を漏らす。しかし、大好きなヨットの模型作りを手伝ってくれたことから、彼はスチュアートを弟として認めるようになった。その後、二人は完成したヨットでレースに出場する。これに見事優勝を果たした二人は大喜びした。そんな彼等を見て快く思わなかった者がいた。それはリトル家の飼い猫スノーベルである。彼はスチュアートを追い出そうと“ある計画”を思いつく。
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(レビュー) スーパーネズミの活躍を最新のVFX技術で描いたファンタジー映画。一応ファミリー映画の体を取っているが、よくよく考えてみるとかなりの怪作でもある。
まず導入部からしていきなりハードルが高い。孤児院には人間の子供たちに混じって喋るネズミ・スチュアートがいる。周囲の子供たちは全然驚かないので、この世界の動物は皆人間とコミュニケーションが取れるのか?と思ったらそうではなかった。人間と喋れるのはこのスチュアートだけである。そして、リトル夫婦は何の不思議も抱かずにスチュアートを養子として迎え入れる。一体、この世界における「常識」とはどこに存在するのか?よく分からないまま物語は進行する。
実は、この映画を見た理由は、脚本にM・ナイト・シャマランがクレジットされていたからである。シャマランと言えば、俺の中では「シックスセンス」(1999米)を除けば余り良い思い出がない。毎回トホホな映画を撮る監督‥そんな認識である。ただ、毎回落胆させられながらも、独特の創作観、映画作りのビジョンには魅了されてしまい、どうしても捨て置けない監督の一人となってしまっているのである。
しかして、その経験則からすると本作も実にシャマランらしい世界観になっていると思った。先述の通り、ネズミが喋るという「非常識」を「常識」として強引に片づけ、何の説明もないままドラマが展開されていくクレイジーさ。家族愛を描くハートフルな映画なら、普通に完全にファンタジーに持って行けばいいものを、そうしないところのバカバカしさ。これこそがシャマラン節だろう。理屈を考えないで見るタイプのバカ映画である。
映像的な見所は、CGと実写の合成で表現されたスチュアートとスノーベルの動きである。毛並みの表現などはかなりリアルで今見ても全然遜色ない。余りにもリアルすぎるため、ネズミが苦手な人にはちょっときついかもしれない。