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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗

レオーネとイーストウッドが組んだマカロニウェスタンの決定版!
続 夕陽のガンマン アルティメット・エディション [DVD]続 夕陽のガンマン アルティメット・エディション [DVD]
(2004/11/05)
クリント・イーストウッドイーライ・ウォラック

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「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」(1966伊)star4.gif
ジャンルアクション
(あらすじ)
 南北戦争末期のニューメキシコ。賞金稼ぎのブロンデイと賞金首のトゥマは、コンビを組んで芝居を打って賞金を稼いでいた。この仕事もそろそろ潮時と踏んだブロンディは、トゥマを砂漠に置き去りにして一人旅立つ。裏切られたトゥマは復讐に燃えた。一方その頃、盗賊のエンジェルアイは20万ドルの金貨を求めて旅をしていた。敗走する南軍に金貨の隠し場所を知っている男がいるという。その男を追いながら焼け野原となった戦場を転々とする。しかし、彼の足取りは中々掴めなかった。仕方なく彼は北軍の捕虜キャンプに潜り込んで、男が捕まるのを待つことにする。
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(レビュー)
 原題の意味は「善玉、悪玉、無頼漢」。これは劇中に登場するメインキャラであるブロンディ(善玉)、エンジェルアイ(悪玉)、トゥマ(無頼漢)をそのまま表している。今作はその3人が対立しながら隠された金貨を巡って旅をする西部劇である。

 監督・脚本はS・レオーネ、音楽はE・モリコーネ、主演はC・イーストウッドという「荒野の用心棒」(1964伊)トリオ。レオーネのメリハリの効いた演出、モリコーネの耳に残るテーマソング、イーストウッドのニヒルなダンディズム。三者の魅力が見事に融合された快作と言っていいだろう。

 また、シナリオも上々の出来栄えで、特にブロンディとトゥマの絶妙なやり取りにバディムービーとしての面白さを感じた。いかにも小悪党といった風情の無頼漢トゥマのユーモア。それについつい合わせてしまう善玉ブロンディの律儀さ。二人の力関係は見てて飽きない。

 また、拳銃屋での一件も面白かった。人の良い店主から拳銃と金銭を奪うトゥマのやり口は軽妙で憎めない。どこか愛嬌を感じてしまう。また、彼の兄のエピソードにはしみじみとさせられた。この時のブロンディの所作が良い。対立ばかりしている二人にかすかな友情を感じる瞬間だった。盗人にも三分の理あり、といったところか。

 キャラクターの魅力ということでいえば、悪玉エンジェルアイも中々良かった。演じるリー・ヴァン・クリーフは西部劇ではお馴染みのバイプレイヤーである。シャープな顔立ちとクールな振る舞いには痺れてしまう。彼はブロンディ&トゥマのコンビと敵対する関係にあり、終始悪役に徹しているのだが、これがなぜか一番格好良く見えてしまうから不思議だ。黒装束というのは彼が演じるキャラクターのトレードマークにもなっていて、そこからいつも“ハカイダー”を連想してしまうのだが‥。まぁそれは俺の勝手な妄想として。とにかく、クリーフはいつも格好良い悪役というイメージなのだ。後半はブロンディとトゥマの関係が馴れ合うことで、全体的にドラマが停滞ムードに陥っていくのだが、そこに彼が入ってくる事で再び画面は引き締まり、ドラマの緊張感も回復されていく。特に、クライマックスの銃撃戦のスリリングさは、彼の存在なくして語れないだろう。

 難は3時間弱という上映時間の長さであろうか。手軽に見れるという長さではない。レオ-ネの演出はタメを作ることでカタルシスを生むのが一つの特徴であるが、それをやっていると全体の尺はどんどん長くなってしまう。これは一長一短あるように思う。クライマックスの銃撃戦はともかくとして、序盤の人物紹介までサービス精神旺盛にコッテリ演出するのはどうだろうか‥。確かに物語のフックとしてはこれ以上ないくらい魅力的な導入部になっている。ただ、この演出を度々やっていると時間は長くなってしまう一方だ。盛り上げるべき場面を適確にチョイスする必要はあっただろう。そう考えると、エンジェルアイと仲間達のエピソードは過分な感じを受けた。

 また、戦争に対するアイロニーが所々に盛り込まれているが、これらが一体どこまで必要だったかも疑問に残る。人間の底知れぬ欲心がテーマなので、それが大きく肥大化した“戦争”も大切なモチーフであることは分かる。しかし、本質的な部分で“戦争”は余り深く関わってこない。であるなら、もう少し削っても良かったような気がした。
[ 2010/10/10 00:54 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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