デル・トロのなりきり演技が魅せる。
「チェ 28歳の革命」(2008米仏スペイン)
ジャンル人間ドラマ・ジャンルアクション
(あらすじ) 1955年、アルゼンチン出身の精神医師エルネスト・ゲバラは、渡米したメキシコでカストロと出会う。キューバの独裁政権に反旗を翻す彼の戦いに共鳴したゲバラは、カストロと共にキューバに密航。ジャングルのゲリラ戦に参加していくようになる。戦いは想像以上に厳しく次々と仲間が離れていったが、ゲバラはそれにめげることなくカストロの副官として隊をまとめ上げていった。そして、彼の類まれなる指導者振りにいつしか賛同者が続々と現れるようになった。戦いは熾烈を極め、カストロはいよいよ敵の本部に攻め入ろうとする。その矢先、ゲバラの前にアレイダという女兵士が現れる。
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(レビュー) キューバ革命を成し遂げた革命家エルネスト・チェ・ゲバラの半生を綴った伝記映画。本作は全2部作の前編にあたる。この前編では、カストロとの出会いから政府軍の拠点サンタ・クララ侵攻までが描かれている。
監督はS・ソダーバーグ。テクニカルな映像や編集がいかにもこの人らしい。ただ、「オーシャンズ」シリーズほどのスタイリッシュさは見られない。本作は軽いノリで見る娯楽作品ではない。シリアス且つリアリティを求められる伝記映画ということで、幾分その辺りは押さえ気味にしているのだろう。
また、ゲリラ戦が淡々と綴られていくだけでドラマ性は極めて薄味である。ゲバラの人物像を深く知りたい人には、本作は不向きな作品であろう。
ただ、こうした作りを完全な失敗作として切り捨てるつもりはない。ゲバラの威光を持ち上げるようなドラマ的なカタルシスを織り込めば、かえってどこか押しつけがましく写ってしまう可能性もある。あくまで客観的な視点に立った作りは、ある意味で堅実な作り‥と評価しても良いのではないだろうか。
登場人物の多さや絶え間なく続くゲリラ戦等、本作には膨大な情報量が詰め込まれているが、おそらくこれらについても事実に忠実に描かれているのだろう。例えば、ゲバラとカミロの会話は
「チェ・ゲバラ-人々のために-」(1999アルゼンチン)に出てくる記録映像と、シチュエーションこそ違え全く同じやり取りで再現されている。ゲバラ関連の書物や映像資料は豊富なので、おそらく作り手側は相当リサーチしたと思われる。
映画はカラーで描かれるのジャングルの戦いと、モノクロで描かれる国連会議の演説シーンのカットバックで構成されている。ゲバラの兵士としての顔、政治家としての顔、両面を見せていく構成は、狙いとしては中々面白い試みに思えた。確かにこの構成によって、夫々のパートの緊張感が損なわれるというデメリットが生じるが、生涯革命家を貫き通した彼の生き様が陰と陽のコントラストを効かせながら魅力的に浮き彫りにされていると思った。
ゲバラを演じるのはベニチオ・デル・トロ。ゲバラに似せた“なりきり”演技は、流石に演技派という感じで見応えがあった。
今晩は!ありのさんお久しぶりです。
この作品と「チェ39歳~」に出演しているベニチオ・デル・トロさんなんですが、僕にとっては「007/消されたライセンス(原題licensetokill)」かっこよすぎる麻薬組織の殺し屋とアンソニー・ホプキンスさんと共演した「ウルフマン」(あの、オオカミ男に変身sる場面は凄すぎ!!)にも出てるんですよね。僕は、最近109シネマズグランベリーモールで「ハリーポッターと死の秘宝PART1IMAX日本語吹き替え版(この作品は、制作側の都合で3Dとして上映されなくなりました。)」を見てきたのですが、やっぱりIMAXは凄いです。ありのさんへ、109シネマズグランベリーモールを選んだ理由は「東京都内に初めてIMAXシアター」が完成したというので、行ってみたのです。それから、僕自身気になる事があって、ワーナーブラザーズ映画は「アメリカ国内」で作られた映画作品を配給するだけじゃなく、日本国内で制作された映画作品の制作・配給(主なもの「劇場版銀魂新訳紅桜編」、「インシテミル~七日間のデスゲーム」、「最後の忠臣蔵(12月18日公開予定)」)もしているそうですが、この戦略はどうでしょうか?
こんばんは、にょろ~ん。さん。
ベニチオ・デル・トロですとオスカーを受賞した「トラフィック」が印象に残っています。個性派俳優として頑張ってますね。このゲバラ役もかなり減量して本人に似せてますよ。
「ハリポ」が3Dでなかったことからも分かるとおり、3Dと称して実は3Dとして撮っていない作品が数多くあるのだと思います。2D用に撮って後から3Dに変換するというような作品ですね。
残念ながら、日本の企業はバブルの頃と違って、映画に出資するほど景気が良くありません。となると、当然海外に目を向けていかざるを得なくなります。フランスでは日本映画もそこそこの規模で公開されていますが、アメリカ市場はかなり厳しいと思いますよ。アメリカでヒットしたのは「ポケモン」の映画くらいだと思います。それと、原作件やリメイク化件の取得といった後々の戦略も見こしているのもあるのでしょう。
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