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11人のカウボーイ

牧歌的に始まりシリアスに落とす。J・ウェインとB・ダーンの対峙に痺れた。
11人のカウボーイ [DVD]11人のカウボーイ [DVD]
(2000/04/21)
ジョン・ウェイン、ブルース・ダーン 他

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「11人のカウボーイ」(1971米)星3
ジャンルアクション
(あらすじ)
 ゴールドラッシュのせいで働き手を失った牧場主ウィルは、牛を運ぶために人手を探し始めた。ところが、村の若者はほとんど出払っており、まともに働ける者は残っていなかった。仕方なく友人に相談したところ、年端もいかぬ11人の少年達を紹介される。初めは馬鹿にするウィルだったが背に腹は変えられない。少年達の熱意にほだされて雇うことにした。黒人料理人ナイトリンガーも加わり、ウィルと11人の少年達は牛を運ぶ旅に出発する。
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(レビュー)
 老カウボーイと11人の少年達の交流を大自然の中に描いた西部劇。

 カウボーイに憧れる子供達の無垢な心根は、現代からすると余りにも牧歌的に感じてしまうが、師弟ドラマとして見れば上手くまとまっている。子供達との交流も多岐に渡って描かれており飽きさせない。本作の魅力は正にここに尽きるといっても良いくらいで、老練なカウボーイと孫ほども年の離れた少年達のユーモラスなやり取りが一つの見所だ。

 ウィルを演じるのはJ・ウェイン。本作は彼の晩年の作品である。かつての勇まさは鳴りを潜め、ここでは隠居寸前の頑固じいさんという佇まいを終始貫いている。まるでボーイスカウトの引率者、スポーツ部の監督のような立場で少年達に道徳や躾を教えていく。穿ってみれば、彼の言葉は映画界の後世に向けた老優の遺言のようにも聞こえてくるかもしれない。しみじみとさせられた。

 少年達のキャラクターも個性に溢れている。序盤の荒馬乗りのテストで個々のキャラを説明する手際の良い話運びは見事だ。中でも、混血児として異端扱いされるシマロンというキャラクターは面白い存在である。彼は出自のせいで他の少年達から明らかに浮いた存在であり、混血というバックストーリーがその後の波乱をあれこれ想像させる。他に、デブやチビ、メガネ、どもり症といった特徴を持った子供達が登場してくる。ただ、さすがに11人全員をフィーチャーするのは時間的な限界があり、中に埋もれてしまう子達もいた。このあたりは止む無しと言ったところだろう。

 中盤に登場する黒人カウボーイ、ナイトリンガーとウィルの関係性も面白く見れた。ウィルがチームの監督だとすれば、ナイトリンガーはそれをサポートするコーチのような存在である。子供達の夜遊びを微笑ましく見つめながら、ウィルとウィスキーをくゆらすシーンは中々味がある。

 そして、この映画にはウィルの行く手を阻む敵対者として大変重要なキャラが登場してくる。それは牛泥棒ロングだ。実は、この映画は後半に行くに連れてシリアス色を強めていくのだが、それは彼が物語に絡んでくるからである。ロングはウィルに雇われなかった事を根に持ち、牛を盗もうと彼の後を付け回す。ウィルの過去の悔恨と照らし合わせてみると、そこには複雑なキャラクター性を見る事が出来る。
 ロングのバックストーリーは詳しく語られていないが、彼に宿る一抹の悲哀、もっと言えば孤独性は、父性に対する求愛行動の表れではないかと想像できる。ここで言う父性とはもちろんウィルのことである。一連のロングの行動を見ていると、父親に拒絶された子供がわざと嫌がらせをして突っかかっている‥そんな風に見れた。

 一方でウィルの方に目を向けると、彼は息子を亡くしていることが冒頭で明らかにされている。亡き息子との関係は具体的に描かれていないが、ウィルの言葉の端々に後悔の念が読み取れる。そこから決して良好な関係でなかった事が分かる。息子と年齢が近いロングである。ウィルは彼に亡き息子を重ねて見ていたのではないか。そんなことが想像出来る。

 クライマックスはもちろんこの二人の対峙になる。ここはアクション的にもドラマ的にも見応えがあった。
 ただ、映画はその後にもう一山盛り上がり所を設けている。これは蛇足な感じを受けた。子供達が起用に銃を使うこと自体、リアリティを失しているし、しかもそれで人を撃ち殺すのだから見ていて決して気持ちの良いものではない。また、途中の”ある悲劇”も何もそこまでしなくても‥というような気がしてならなかった。
[ 2011/01/21 01:00 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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