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夕凪の街 桜の国

被爆の悲劇を描いた感動ドラマ。
夕凪の街 桜の国 [DVD]夕凪の街 桜の国 [DVD]
(2008/03/28)
田中麗奈、藤村志保 他

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「夕凪の街 桜の国」(2007日)hoshi2.gif
ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 昭和33年、広島下町。OL皆実は母と暮らしている。彼女には離れ離れになった弟旭がおり、いつか再会する事を夢みていた。そんなある日、皆実は会社の同僚打越からプロポーズを受ける。しかし、彼女には過去のトラウマあり‥。現在の東京。定年退職した旭は二人の子供達と暮らしている。長女七波は最近旭の不審な行動が気になっていた。ある晩、旭が内緒で家を出て行った。後をつけてみると、彼は広島行きの夜行バスに乗った。七波はその後をついて行くのだが‥。
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(レビュー)
 広島原爆投下の悲劇を描いた感動ドラマ。

 ヘビーな題材を扱っている割に、どうも作りが軽すぎるのが気になった。要因の一つにコメディライクな演出が挙げられる。ドラマに集中しようにも、これでは中々入り込めない。同じ被爆を題材にした映画なら、「黒い雨」(1989日)の方がよっぽど真正面から描いている。確かに「黒い雨」にもコメディライクな箇所はあったが、それは全体を壊す程度のものではなかった。目をそむける事を許さないシリアスなトーンが維持されている。それに比べると、本作はコメディライクな演出が大仰でいけない。また、感傷に訴えすぎる演出もわざとらしくて興ざめした。

 映画は2部構成になっている。前半の「夕凪の街」編はストレートに被爆の現実を訴えたドラマになっている。皆実の「原爆は落ちたんじゃない、落とされたんよ」というセリフは印象に残る。また、銭湯のシーンもショッキングで印象に残った。被爆という非日常と入浴という日常をこうした形で画面に同居させた所に衝撃が走る。
 スラム街のセットもこじんまりとした物だが時代背景に説得力をもたらすという意味では頑張って作られていると思った。ただ、遠景のショットになるといかにも現代的な家屋が並ぶので、世界観の詰めの甘さが惜しまれる。

 後半の「桜の国」は被爆の第2世代の話である。原爆を知らない子供たちが改めてその歴史を知っていく‥というドラマになっている。しかし、こちらは前半に比べると作りが少し雑に感じられた。例えば、七波の友人のエピソードは、テーマを語る上では特段必要というわけではない。これを挿話したことでドラマが散漫になってしまっている。また、七波が旭の行動に対する解釈。それを独り言として明言させてしまったのはいただけない。悲しみや怒りといった心情を、口に出して説明してしまうことほどダサい演出はない。

 原作がコミックということであるが、漫画ならかろうじてこうした表現はありかもしれない。漫画の場合は多少臭いセリフを吐いても、偶像であるキャラが“作られたセリフ”を発しているという割り切りの上で受け止める事ができるからだ。しかし、実写映画の場合は違う。俳優がそこで演技をしている。その上でこういうセリフを吐かれると、いかにも“言わされてる感”が匂ってしまいダメである。
[ 2011/01/23 20:49 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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