ミステリアンがインパクト大!
「地球防衛軍」(1957日)
ジャンル特撮・ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ) 天体物理学者白石博士は富士山のふもとで調査をしていた。その最中、山火事が起こり彼は失踪してしまう。早速、同僚の渥美が捜索に出かけた。ところが、その先で巨大な怪物に遭遇する。防衛軍の必死の抗戦によって怪物は倒されたが、今度は地中から宇宙人の乗った巨大ドームが出現し、人類に宣戦布告をしてきた。
楽天レンタルで「地球防衛軍」を借りようgoo映画映画生活ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!


(レビュー) 母星を失った宇宙人ミステリアンと地球防衛軍の戦いを描いた特撮映画。
実写映像と円谷英二が手がけるミニチュアの合成で描かれた特撮シーンが見所である。特に、ミステリアンの熱光線を受けて溶ける戦車が素晴らしい。また、巨大ロボット、通称モゲラのデザインはSF作家小松崎茂が担当。以前からスチールや模型では知っていたが、改めて動いている姿を見るとこれが案外萌える。クライマックスには、パラボラ型の熱線砲が登場し、東宝特撮ファンにとっては感涙モノではないだろうか。
伊福部昭の音楽もすこぶる快調で、進軍場面などは実に勇ましくてワクワクさせられた。
ただ、肝心のクライマックスの戦闘シーンは冗漫に感じられた。ここは人間ドラマを織り込むなり、危機感を募らせる演出を施すなりして、単調にならないような工夫を凝らして欲しかった。
尚、ミステリアンのコスチュームはかなりぶっ飛んだセンスで楽しませてくれる。これがある事によって作品のチープ感が際立ってしまうのだが、逆に言えばトンデモ映画的な“親しみ”も生まれる。
彼等は人間の外来者に対する排他性を痛烈に皮肉った存在とも取れ、この辺りは「ゴジラ」(1954日)にも言える事だが、厳しいアイロニーが込められている。ただ、子供にも分かりやすく‥ということなのだろう。全てをセリフで片付けてしまったことで説教臭くなってしまったのが残念である。もう少しスマートに表現してくれると作品に更なる味わいが出たかもしれない。