ビデオスルーのアクション・ホラー作品。設定に頼りっきりで、面白くしようとする気が全く感じられないのが残念。
「ゾンビ・ソルジャー」(2007米)
ジャンルアクション・ジャンルホラー
(あらすじ) 東欧某国の森深く、7人の傭兵達がある男の依頼で紛争跡地を調査することになる。そこで彼らは第2次世界大戦時にナチスが行っていた秘密実験の存在を知る。やがて正体不明の敵から攻撃を受けるようになり‥。
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(レビュー) 傭兵達とゾンビの戦いを描いたアクション映画。
ゾンビ‥と書いたが、厳密に言うとこれはゾンビとは言い難い。ナチスの秘密実験によって不死身の体になった“死兵”といった方が正しい。
この死兵、余りにも強過ぎるので‥というか、そもそも弱点がないので、全くもってサスペンスとして盛り上がらないのが難点だ。一応クライマックスには派手な銃撃シーンがあるのだが、傭兵部隊は成すすべなく後退するばかり。ヒロイックな映画でないことだけは確かである。
ドラマ的にも大して動きがないので退屈してしまう。前半は傭兵達が森の中に入っていく理由が明らかにされず、観客も一体これから何が起こるのか?という期待を持って見ることが出来る。問題は目的が明かされて以降だ。終始、死兵の謎を究明するドラマになっていくのだが、いかんせんドラマが停滞気味でいただけない。低予算の映画なので、派手にアクションシーンを盛り込めないのは分かるが、志村後ろー!的に死兵を小出しにする“肩透かし”演出を続けられると、さすがに見るほうの集中力も途切れてしまう。登場人物像に厚みを加えるなり、ナチスの計画にマッガフィンとしての魅力を付加するなり、シナリオの練り込みが欲しい。
例えば、傭兵達はアクの強そうな連中が揃っているのだから、個々の激しい衝突を描くのも一つの手だろう。主役である隊長のバックストーリーを膨らますのもドラマを面白くするための有効な手段だ。この映画はそういったところを御座なりにし、ただ単に死兵に怯える姿だけを描いているので、ホラー映画の肝である怖さや痛さといった感情への擦り寄りがどうしても甘くなってしまう。