こりゃクライシス!
「クライシス2050」(1990日米)
ジャンルSF・ジャンル特撮・ジャンルアクション
(あらすじ) 西暦2050年、太陽の異常膨張で巨大なフレアが発生する。地球の危機を救うべく宇宙船ヘリオスが反物質爆弾を積んで太陽へ向かった。その頃、地球では宇宙飛行士の訓練生マイクが砂漠を漂流していた。彼は不思議な隠匿老人と出会う。
goo映画映画生活ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!


(レビュー) 日米合作のSF映画。地球を救う宇宙船乗組員の過酷な運命と、その影で暗躍する政治陰謀、この二つが宇宙と地上を舞台に繰り広げられる。
当時の額で制作費70億円というからかなりの超大作である。確か公開当時、テレビのゴールデンタイムでも特番が放送されたように思う。しかし、興行的にはその期待を大きく裏切る結果となった。NHKと学研が共同出資して制作したのだが、この興行的な失敗は両社にとってまさに“クライシス”となってしまった。バブル景気の産物‥という言われ方をしても仕方がないところがある。
尚、再編集したアメリカ公開版はアラン・スミシー名義でひっそりと公開された。ちなみに、アラン・スミシーは架空の人物である。製作段階でのトラブル、例えば監督の交代や編集権の移譲等から、監督が名前をクレジットしたくない場合に使用される名義である。
ストーリーは、ざっくりと宇宙編と地上編に分かれている。この二つが展開上、交錯する事はない。
まず、ヘリオス乗務員の必死の任務を描いた宇宙編は、特殊効果を担当したR・エドランドの働きもあって中々見せるものとなっている。クライマックスシーンも、艦内のパニック風景を切迫感溢れる演出で描いており中々の迫力が感じられた。ただ、中盤のピーターのクダリや映画初出演となる別所哲也演じるミナミ等、エピソード、キャラクターの不要が目に付く。もう少し整理する必要があっただろう。キャプテンと家族のドラマも泣き所として用意されているのだろうが、ほとんど意味がないものとなってしまっている。
地上で描かれるのは、少年マイクが巨大企業の陰謀に巻き込まれていくサスペンスドラマになっている。こちらはかなり支離滅裂な内容だ。マイクが出会う老人トラヴィスが一体どんな役割を持ったキャラクターだったのか分からずじまいであるし、巨大企業IXL社の陰謀も今ひとつ明確にされない。極めつけはオチである。C・ヘストン演じるケルソ提督が強引な手段を使って締めくくるのだが、これには開いた口が塞がらなかった。もうここまできたら捨て鉢としか言いようが無いのだが‥。
どうしてこのような出来になってしまったのか。色々と考えられるが、一つには日米合作というところに原因があるように思う。スタッフのクレジットを見ると、そもそもの企画は日本側で立てられたようである。一方、現場スタッフやキャストはアメリカ側で固められている。両者の間で十分な連携がはかられなかったのではないだろうか?日本側が求めるものとアメリカ側が求めるものが異なり、結果として作品がこのような空中崩壊を起してしまったのではないかと考えられる。
特殊効果のクオリティや映像は水準以上のものがあったのだが、肝心のドラマがこうも突っ込みどころ満載では、いかんともし難い。
今晩は、ありのさんお久しぶりです。久しぶりにこのブログにコメントを書き込みします。この映画では、シド・ミードさん(主な参加作品ブレードランナー、ショートサーキット、ターンA(エー)ガンダム)、「ベン・ハー」でおなじみの名優でNRA(全米ライフル協会)の会長さんでもあったチャールトン・ヘストンさん(1923年10月4日生まれ-2008年4月5日没)も出演してるんですよね。また、この作品に出演していた俳優の別所 哲也さんは「短編映画(ショートフィルム)」が大好きで横浜のみなとみらい地区に「短編映画専門の映画館」を経営したり、自ら短編映画だけの映画祭を主催して開催しているそうです。それから、ありのさん中川翔子さんが吹き替えを担当することで話題の「塔の上のラプンツェル(IMAX3D吹き替え版)」とても良かったです。
こんばんは、にょろ~ん。さん。
この映画はストーリーは今一なんですが、所々はよく出来ている箇所もあるんですよね。有名なスタッフ、キャストを使っているだけに、実に勿体無い‥。
「ラプンツェル」は公開が終わらないうちに何とか見に行きたいと思っています。
コメントの投稿