香港版「キングコング」?
「北京原人の逆襲」(1977香港)
ジャンル特撮・ジャンルアクション
(あらすじ) ヒマラヤで体長15メートルの巨大な北京原人が目撃された。探検家チェンホンは興行師ルーに雇われて原人捕獲に出発する。野生動物の襲撃や断崖絶壁の崖に阻まれて旅は過酷を極めた。そして、ついにチェンホンは原人に遭遇する。そこに一人の美女が現れて‥。
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(レビュー) 一言で言えば香港版「キングコング」である。
ラウレンティスがリメイクした1976版の「キングコング」と、ストーリーはほぼ一緒である。ただ、色々とアレンジが加えられている。一番の違いはヒロインの設定にあろう。
今作のヒロインはチェンホンの危機を救うために颯爽と登場する金髪&ナイス・ボディの女ターザンである。皮のビキニを着て健康的なお色気を大胆に披露しており、何となく「恐竜100万年」(1966英)のR・ウェルチを髣髴とさせたりもする。演技はこの際置いておくとして、ビジュアルに関しては申し分ない。虎や豹といった肉食系動物と無邪気に戯れる所もポイントが高い。しかも、スタント無し!B級臭漂う彼女の存在が、本家と違うテイストにしている。
物語も古典的な「美女と野獣」の焼き直しであるが、奇をてらうことなく自然に構成されている。
ただ、序盤は話がかなり強引に展開されるので、呆気にとられてしまった。全てはアクションシーンを活かすためのストーリーという気がした。よく言えば潔い、悪く言えば適当である。
特撮シーンには有川貞昌、川北鉱一といった日本のスタッフが関わっている。香港の高層ビル群のミニチュアセットは見応えがあった。ハリウッド版に比べると明らかに予算は少ないだろうが、北京原人と女ターザンが辿る悲恋はこうした特撮シーンを交えて十分ドラマチックに盛り上げられている。