S・マックィーンのダンディズムが堪らない!地雷突破のシーンが白眉。
「突撃隊」(1961米)
ジャンル戦争・ジャンルアクション
(あらすじ) 第二次世界大戦下、パイク曹長率いる部隊はジークフリード要塞攻略作戦に参加する。そこに十字勲章をつけたリースが赴任する。彼はパイクとは因縁関係にあり軍でも有名な問題兵だった。早速、前線に借り出される兵士達。パイクは、リースが所属する小隊を最も危険な敵の最前線に配置する。後続部隊が到着するまでの数時間、リース達はたった数名で敵と睨み合うことになるのだが‥。
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(レビュー) ドイツ軍の要塞をたった数名で攻略する小隊の活躍を描いた戦争映画。
監督D・シーゲル、主演S・マックィーンという顔合わせは、アクション映画好きには堪らない布陣である。マックィーンの寡黙な佇まいが危険な雰囲気を醸し、前半は彼の過去にまつわるミステリがドラマを牽引している。一方、シーゲルの演出もコミカルさとシリアスさを出しながら飽きのこない作りに徹していて楽しめた。
小隊は多彩なキャラが揃っており、この人間関係も中々面白く見れた。ただ、上映時間がたった90分という小品ゆえ、さすがに全員を十分に消化しきれているわけではない。途中から加わるポーランド兵、タイプしか打った事がない伝令。この二人は登場シーンからして印象的で魅力的に造形されているが、それ以外のキャラが今ひとつ弱いと感じた。中にはいつの間にか死んでる‥なんていう兵士もいる。キャラクターの掘り下げ不足は仕方無しといったところか‥。
本作で特筆すべきは、敵の地雷原を突破しようとするシーンだろう。手に汗握るスリルが味わえハラハラドキドキさせられた。コントラストを効かせたモノクローム映像も緊迫感を上手く盛り上げていた。ただ、ここを除けば割と地味な戦闘シーンが続くので、アクション的な見せ場は余り期待しない方がいいと思う。予算や時間が限られたプログラム・ピクチャーとして割り切った上で楽しむしかいない。例えば、戦闘シーンはほとんどが夜の攻防戦になるのだが、暗すぎてよく見えないシーンがあったりする。明らかに製作体制の限界だろう。
ドラマは殺伐としがちになるが、随所にコメディ・フレーバーを散りばた所は作品に親しみやすさを覚えた。先述のタイピストの立ち回らせ方などには妙味を感じる。盗聴器を使った演技にもクスリとさせられた。
ラストは割りとアッサリとしている。小品としてはこのくらいが丁度いいもかもしれない。というか、ここまで突き放してくれると逆に鮮烈な印象も覚えたりもする。戦争の悲惨さは十分伝わってきた。