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アメリカ上陸作戦

冷戦を風刺した戦争コメディ。
アメリカ上陸作戦 [VHS]アメリカ上陸作戦 [VHS]
(1989/02/01)
カール・ライナー

商品詳細を見る

「アメリカ上陸作戦」(1966米)星3
ジャンル戦争・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 アメリカ北東部の沖合いでソ連軍の潜水艦が座礁する。潜水艦を引き上げるボートを探すために、9人の乗務員達が小島に上陸した。一行は浜辺に立つ別荘に踏み込んで車を頂戴しようと考える。そこには売れない作家ウォルトと妻と幼い二人の子供が住んでいた。突然現れたソ連兵に驚く家族。一行は新兵コルチンを見張り役に残して、車に乗ってボートを探しに町に出た。その後、残されたウォルトと家族は隙を見てコルチンから銃を奪い窮地を脱する。一方、町ではソ連が攻めて来たという噂が流れて大騒動になり‥。
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(レビュー)
 間抜けなソ連兵と噂に振り回されて大混乱に陥るアメリカ人の姿を、スラップスティックに描いた戦争コメディ。

 東西イデオロギーの対立を“笑い”で包みこみながら痛烈に皮肉った所に本作の妙味がある。
 アメリカ映画だから一方的にソ連軍を悪役として描いていると思ったが、そんなことはなかった。ソ連兵はまともに銃も撃てないヘタレ揃いで、何となく可愛く見えてしまう。本作の朴訥としたテイストは、一にも二にも敵である彼らが、どうしようもないドジの集まりだからである。実にコメディらしい作りになっている。

 一方で、アメリカ人サイドの方にタカ派的な思想を持った人物を配しているのは面白い。町の老人とウォルトの長男はとにかく好戦的で、ソ連兵よりもこちらの方がまるで悪役のようにも見えてしまった。自国に毒づくこの姿勢こそアメリカ映画の懐の深さだろう。
 特に、ウォルトの長男はまだ幼い子供であり、その外見とは裏腹に過激な発言を連発する。<赤>=<敵>という当時の社会的洗脳が子供にまで及んでいるというところにブラックな風刺が感じられた。

 映画は後半に行くにつれてドタバタ騒動劇が大きくなっていくのだが、ドラマ自体は途中から硬直してしまうのが残念だった。ここはもう少し抑揚をつけた展開が欲しかった。また、ギャグのネタ切れ感も認められ、後半から少しだけ退屈になってしまうのが惜しい。

 クライマックスは一転、緊迫した場面で再び盛り上げられている。オチも上手く考えられていると思った。ただ、一つ苦言を呈すれば、ソ連兵の行動にはもう少しタメが欲しかった。これでは安易な友愛の押し付け、奇麗事に見えなくも無い。ここに観客に考えさせるような何かしらの問題提起をしのばせる事が出来ていれば、更に風刺劇としての深みも生まれただろう。

 尚、一番笑えたのは老夫婦が営む郵便局のシーンだった。ちょっと歪な日常風景を、それこそブラックに切り取っている。この老婦人はバイクでソ連兵の襲来を町中に触れ回ったり、年に似合わずかなりパワフルで笑わせてくれる。

 また、コルチンとアリソンの初々しいロマンスには安堵をおぼえた。いわゆる、この手の戦争物では定石の禁断のロマンスである。普通は悲劇的なものが考えられるが、この映画ではクライマックスの友愛精神同様、逆境を逆手に取りながら前向きに描いている。二人のその後を色々と想像してみたくなるような味わいが感じられた。
[ 2011/05/23 01:05 ] ジャンル戦争 | TB(0) | CM(0)

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