オタクテイスト全開なボンクラ映画。格ゲー好きなら楽しめる。
「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」(2010米英カナダ)
ジャンルコメディ・ジャンルロマンス・ジャンルアクション
(あらすじ) アマチュア・バンドのベーシスト、スコットは、最近新しい恋人が出来た。相手は純粋無垢な女子高生ナイブスである。その後、彼はバンドの売込み先でラモーナという女性に出会い一目惚れする。嫉妬を募らせるナイブスをよそに、彼女をライブに招待して良い所を見せようとするスコット。そこに、謎の男が現れて決闘を挑まれる。実は、彼はラモーナの元カレだった。
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(レビュー) 日本のサブカルに影響されたというアメコミ「スコット・ピルグリム VS. ザ・ワールド」を「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004英)のE・ライト監督が実写映像化した作品。
所々に日本のサブカルからのインスパイアが感じられ何となく親近感が沸く。
例えば、冒頭のユニバーサルのマークが登場するところにかかる曲がまるでファミコンのような電子音だったり、擬音や体力ゲージ、レベルポイントを視覚化したり、対決シーンに効果線が出てきたり、回想シーンをマンガで表現したりetc.全体的にマンガチックな演出が横溢する。こうした凝った画面演出は、原作のテイストをそのまま映画に取り込もうとした監督の狙いなのだろう。楽しんで作っているのがよく伝わってきた。
一方、物語の方はと言うと、こちらはシンプルで少々食い足りなかった。スコットがラモーナの元カレと次々と戦っていくという、いわゆる対戦型格闘ゲーム形式で展開されていく。戦いの合間にナイブスやスコットの元カノが絡んできて、恋愛の駆け引きみたいなものが描かれるが、正直余り魅力が感じられなかった。そもそもスコットの元カノはドラマ的に余り存在意味を持たないような気がするのだが‥。
また、元カレが7人もいるので対戦もその回数だけ行われる。これはちょっと多すぎる。5人くらいが丁度いいんじゃなかろうか?
前半は場面転換の省略の仕方が半端なく、ジェットコースター式に展開されていく。このあたりは敢えてやっている節もあるのだが、一方で7人の元カレ軍団と対戦しなければならないため、時間的な関係で前半にしわ寄せが行ってしまったという見方も出来る。やはり7人は詰め込みすぎな感じを受けた。
また、主人公が余りにもモテモテなのもどうかと思う。ご都合主義という感じがして今ひとつ共感できなかった。同じボンクラでも、先日見た
「キック・アス」(2010米)の主人公の方がよほど愛すべきキャラクラーになっている。
尚、元カレ軍団の仲間で日本の某有名双子タレントが登場してくる。この対決シーンは中々迫力があって面白かった。元カレ軍団は濃ゆいキャラが揃っているのだが、その中でも大健闘を見せている。他に、印象に残ったという事で言えば、前半に登場した幼女のドラマーも良い。