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テラービジョン

エロとバイオレンスが盛り込まれたポップなノリのB級作品。
Terrorvision [VHS] [Import]Terrorvision [VHS] [Import]
(1995/09/12)
Diane Franklin、Mary Woronov 他

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「テラービジョン」(1986米)hoshi2.gif
ジャンルSF・ジャンルホラー・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 宇宙からの怪電波をキャッチした一家にモンスターが襲い掛かる。モンスターはテレビ画面を通して現れて次々と家族を襲っていく。
映画生活

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(レビュー)
 カジュアルなノリのB級SFパニック・コメディ。

 見終わった後に「‥で?」というツッコミを入れたくなること必至な作品である。しかしこのスカスカな内容、登場キャラが漏れなく馬鹿ウィルスに感染しているあたり、いかにもB級然とした不思議な味わいが感じられる。

 登場してくるのはミリタリーヲタクな祖父と孫、セックスマニアな両親、ヘビメタ好きな娘とその彼氏などである。
 見せ場は宇宙からやって来たモンスターが彼らを襲撃するシーンとなる。このモンスターはテレビ画面を通じて現れ一人ずつバリバリと頭からかじっていく。その様は残酷というよりも余りにも馬鹿馬鹿しい描写で逆に笑えてしまう。スプラッタ・シーンは観客の嫌悪感を考慮して血の色を緑に変えており、これによって随分とドギツさが抑えられている。モンスターの下品な造形も中々面白かった。

 ただ、こうした見せ場以外となると、正直なところ退屈してしまう。特に、両親のスワッピングを延々と引っ張る中盤が退屈した。

 パロディネタが色々と見れたのは面白かった。「E.T.」(1982米)をセリフとして表明しているあたりの厚顔さには爆笑したが、他にも「グレムリン」(1984米)、「ポルターガイスト」(1982米)等、この頃にヒットしたスピルバーグ作品のオマージュがあちこちに登場してくる。要するに、作り手側も色々と面白そうなモノを詰め込んでみました‥という感じで作っているのであろう。

 また、本作のエッセンスにはクローネンバーグの「ビデオドローム」(1982カナダ)的な発想があることも付記しておきたい。更には、SFホラーという観点から言えば「遊星からの物体X」(1982米)との近似性も認めらる。

 後になって知ったが、本作のスタッフは、かの藤岡弘主演のアクション映画「SFソードキル」(1984米)や、何故か今頃になって「つまらない!」という理由から火が点いてドキュメンタリー映画まで作られてしまった「トロル2/悪魔の森」(1995伊)の元々のオリジナル作品「トロル」(1986米)、日本のロボットアニメからインスパイアされて作った「ロボ・ジョックス」(1990米)等、数々の怪作・珍作を世に送り出した人たちだった。そう考えると、今作の怪しさ満点な作りもなるほど‥と思えてしまう。

 そう言えば、テレビに映る映画も古いB級映画ばかりで、この辺りにも作り手側の趣味が伺える。R・ハリーハウゼンのコマ撮りでも有名な「世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す」(1956米)が出てくる。おそらくスタッフが目指したのはこのチープさなのだろう。至極納得‥。
[ 2011/06/14 01:11 ] ジャンルホラー | TB(0) | CM(0)

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