ニューヨークを舞台にしたオムニバス作品。
「ニューヨーク、アイラブユー」(2008米仏)
ジャンルロマンス・ジャンルファンタジー
(あらすじ) ニューヨークを舞台にした10本のオムニバス作品。
詐欺師の駆け引き、宗教を超えたロマンス、作曲家の恋、ジゴロのナンパ、プロムに行く高校生カップルの奔走、一夜の恋を回顧する男女の再会、離婚カップルの顛末、倦怠期夫婦、老夫婦等の物語が、10人の監督達によって描かれる。
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(レビュー) パリを舞台にしたオムニバス作品
「パリ、ジュテーム」(2006仏)のプロデューサーが、今度はニューヨークを舞台にして作り上げた作品。世界各国の10人の監督達が、恋する男女を題材に物語を紡いでいる。個々の作品が完全に独立しているわけではなく、登場人物が各エピソードにまたがって登場してくる群像劇に近いスタイルになっているところが面白い。
本作で一番“映画的”に上手く撮られていたと思ったのは、一夜の恋を回顧するA・ヒューズの作品だった。セリフではなく夫々のモノローグで引っ張る演出。再会を果たすカタルシスをタクシーのドアの開閉を使って映像主体で見せる演出。効果音も上手く使用されており、今回の中では一番“映画的”な作品に思えた。
他で面白かったのは、詐欺師の駆け引きをシャープに綴ったC・ウェンの作品。出オチに近い感じがしたが、ジゴロのナンパが墓穴を掘るI・アタルの作品も面白かった。女優のN・ポートマンが初監督した離婚カップルのエピソードも中々良く出来ている。寂寥と幸福の絶妙なバランスがラストを印象深く締めくくっていた。
尚、日本からは岩井俊二が参加している。彼が監督したエピソードは作曲家の恋の話で、O・ブルームとC・リッチの出会いを小粋に描いている。日本のサブカルが所々に出てくる所にクスリとさせられた。
逆に、今ひとつだったのがS・カプールの作品だった。映像は良かったのだが、幻想的過ぎる内容で少し取っ付きにくかった。
キャストは豪華である。J・カーンやB・ヤング、I・ウォラックといったちょっと懐かしい面々が登場してきてお得感が味わえた。