世にも珍しいゾンビアニメ。
「シティ・オブ・ザ・リビングデッド」(2006米)
ジャンルアニメ・ジャンルホラー・ジャンルコメディ
(あらすじ) 人類は寄生虫に脳を支配されほとんどがゾンビになってしまった。新しい靴を買うために足の不自由な老人がゾンビに埋め尽くされた町に出る。彼は次々と襲い掛かってくるゾンビと戦いながら靴を求めてさ迷い歩く。
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(レビュー) アメリカで製作されたゾンビアニメ。
実写ではお金がかかる残酷描写を、安い制作費で済むFLASHアニメでこれみよがしに垂れ流した作品。ゴア描写はかなりのものであるが、グロテスクというよりもどこかユーモラスに見れてしまう。やりすぎてギャグになってしまうというのは
「ブレインデッド」(1992ニュージーランド)と同じで、明らかに作り手側はブラック・コメディとして確信犯的にやっているのであろう。
ストーリーは中盤に急転直下な展開が用意されているが、それ以外は何とも平板でこれと言って引き付けるほどの物はなかった。殺戮描写を見せ場にするためにストーリーがあるようなもので極めて淡白である。また、主人公の老人以外に色々とサブキャラが登場してくるが、これらもほとんどメインのストーリーに絡んでこず、ひたすら間延びしたドラマが続く。
尚、殺戮シーンで特筆すべきは、老人の武器が歩行器という点である。彼はそれをぶん回してゾンビを殺しまくるのだが、このアイディアは中々奇抜で面白かった。しかも、この歩行器は老人の相棒としてちゃんと人間の言葉を喋るのだ。その会話も一々下品でしょーもないことこの上なし。
また、老人が何故新しい靴を買うことにこだわるのか?その理由も実に馬鹿馬鹿しい。新しい靴を履いて若い姉ちゃんをナンパしようという、ただそれだけなのである。爺さんこそ脳みそを寄生虫に食われてるんじゃないか‥と突っ込みを入れたくなってしまった。
はっきり言って絵はそれほど上手くないが、徹底したグロテスク表現に作り手のこだわりが感じられる。たとえるなら、漫☆画太郎の絵に似たグロさ、下品さと言えばいいだろうか。このテイストは好き嫌いがはっきりと分かれようが、同時に奇妙な魅力も感じさせる。
尚、、虫が大量に出てくるので虫嫌いな人は見る前にご注意を‥というか見ない方がいいと思う。