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とべない沈黙

名匠黒木和雄のデビュー作。支離滅裂な内容でお蔵入り寸前になった。
とべない沈黙 [DVD]とべない沈黙 [DVD]
(2002/06/06)
加賀まりこ、 他

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「とべない沈黙」(1966日)hoshi2.gif
ジャンルファンタジー・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 夏の北海道。少年が九州以南にしか生息していないナガサキアゲハを採取する。周囲の大人たちにそれを話しても誰も信用しなかった。少年は仕方なく蝶を川に流した。一方、長崎で少女がナガサキアゲハの幼虫を見つける。幼虫は人づてに渡り、広島で原爆症に苦しむカップルを、京都で戦争体験で狂ってしまう男の姿を、大阪で孤独なサラリーマンの姿を目撃していく。
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(レビュー)
 ナガサキアゲハの幼虫が目撃する様々なエピソードを幻想的に綴った作品。

 監督・共同脚本はこれが劇場長編デビュー作となる黒木和雄。余りにもアバンギャルドな内容から東宝でお蔵入りとなり、1年後にようやくATG作品として公開された曰くつきの作品である。以後、黒木はATGを活動の拠点とした。なるほど‥、加賀まり子や小沢昭一といったメジャーキャストを揃えているが、この内容ではお蔵入りになるのも分かるような気がする。余りにも支離滅裂な映画である。

 物語は北海道に住む少年の話から始まる。彼はナガサキアゲハを捕まえるのだが、生物学的にそれはありえないと大人達に否定される。そこから物語は長崎に舞台を移し、ナガサキアゲハの幼虫とそれを拾った少女のドラマに切り替わる。少女と蝶は様々な愛憎関係を目撃しながら北上していく。広島の原爆、戦争後遺症等。このあたりには監督の反戦メッセージがよく現れていた。

 ただ、前半はそれなりに面白く見れるのだが、香港マフィアが絡んできて以降の後半は、ドラマに求心力が無くなり崩壊してしまう。

 映像については面白いものが幾つか見られた。ナガサキアゲハの幼虫を捉えたマクロ撮影、広島の平和祈念式典のゲリラ撮影、陰影を巧みに操った夜間撮影等、名手・鈴木達夫の撮影テクニックが存分に味わえる。
[ 2011/10/30 01:25 ] ジャンルファンタジー | TB(0) | CM(0)

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