B級テイスト溢れる過激なアクション・スプラッター作品。
「片腕マシンガール」(2007日米)
ジャンルアクション・ジャンルコメディ
(あらすじ) 高校生アミはたった一人の家族・弟ユウを虐めで殺された。復讐を果たすため虐めていた同級生の家を襲撃するが、相手はヤクザの息子で逆に返り討ちにされてしまう。傷だらけになった所をユウの親友の両親に助けられる。彼らの息子も虐めで殺されていた。こうしてアミ達の壮絶な復讐劇が始まる。
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(レビュー) 弟を殺された少女の復讐をB級テイスト溢れるタッチで描いたアクション・スプラッター作品。
もともとは北米のビデオメーカーで製作された作品で、日本のサブカル・ネタがふんだんに盛り込まれていることが話題になり逆輸入された作品である。監督・脚本は異才・井口昇。
ストーリーは一本調子であるし、中には唐突に映る箇所もある。また、演出も取ってつけたような悪ふざけ感が鼻につき今ひとつ笑えなかった。浮きまくりなCGにしろ、過剰な演技にしろ、何もかもが狙ってチープに作られており、そこをどう評価するかだろう。こういうのは見る人を選ぶと思う。ならばその悪ふざけに乗ってやろうじゃないか‥という人なら面白く見れるのではないだろうか。
ストーリーはこの際置いておくとして、売りとなるビジュアル演出にもう少し洗練さが欲しい。敢えてチープにすることでブラックコメディに味付けしているのは分かるが、そればかりだと見ていて段々面白味が薄れてしまう。
例えば、S・ライミ監督のデビュー作「死霊のはらわた」(1983米)と比較してみるとよく分かる。両者ともスプラッター描写におけるこだわりが感じられるが、S・ライミは全てをギャグで逃げているわけではない。シリアスとコメディの緩急をつけることで、クライマックスの盛り上げをきちんとはかっていた。それと比較すると本作はクライマックスまでもが〝笑い”で片づけられてしまっている。どうしてもダラダラとした印象しか残らない。
あるいは、よりコメディに特化するならP・ジャクソンの
「ブレイン・デッド」(1992ニュージーランド)くらいの徹底したバカバカしさが欲しい所である。
ただ、アクションの演出についてはまずまずのキレが感じられた。日本と言えば忍者、服部半蔵という発想がバカっぽくて良い。飛んだり跳ねたりのアクションを手堅く見せきった演出は救いである。