サムライが現代のLAに蘇って悪人をぶった切るB級アクション映画。
「SF ソードキル」(1984米)
ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ) 戦国時代の武将ヨシミツの遺体が雪山の奥地で発見された。アメリカの研究所に運ばれ蘇生手術を受けた彼は息を吹き返す。様変わりした世界に戸惑いながら親切な女性記者クリスとの交流に安堵を覚えるヨシミツ。そんな彼を研究所の職員が名刀を狙って襲撃する。ヨシミツは彼をとっさに切り捨てて逃走。その先でギャング団に襲われていた老人を助けるのだが‥。
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(レビュー) 400年前の武士が現代のLAに蘇って悪人たちと死闘を繰り広げるSFアクション作品。
一々理屈を考えていたら見れないが、そこはそれ。B級バカ映画として見れば十分面白い。
特に、タイムスリップ物としての面白さ、和洋のカルチャー・ギャップの面白さに焦点を当てた前半に妙味を感じる。しかも、普通なら悪ふざけのギャグに逃げてもおかしくないところを、案外この映画はそこも真面目に作っている。そこに好感が持てた。
後半はモルモット扱いする科学者の追跡、ギャング団との戦いがヨシミツを孤立無援の状態に追い詰めていく。彼が辿る非情な運命は、女性記者クリスとのロマンスを絡めながらドラマチックに盛り上げられており、哀愁漂う幕引きも中々良かった。
ただ、いくら真面目にやっていても、設定が設定だけにどう転んでもバカ映画であることには間違いない。
例えば、TVに向かって警戒するヨシミツの姿は滑稽であるし、スシ・バーでミフネ・トシローのコスプレと間違われる所などは笑うしかなかった。
また、低予算映画なので物語は随分とこじんまりとしている。今ならCGを使っていくらでも作品の世界観を膨らませることが可能だが、時代が時代だけに中々そうもいかない。小さくまとまりすぎて消化不良な感は否めない。逆に、B級映画という割り切りが出来ていればこんなものか‥という感じで見れるだろう。
ヨシミツ役は藤岡弘が演じている。作品の基本的なテイストに沿ったシリアスな演技をしている所に彼の生真面目さが伺える。しかし、向こうの人にはどう映っただろう?そう思うと、ちょっと切なく感じたりもした‥。