低予算ながら全米で大ヒットを記録したフェイク・ドキュメンタリー・ホラー。
「パラノーマル・アクティビティ」(2007米)
ジャンルホラー
(あらすじ) 若いカップル、ミカとケイティは新居で不気味な現象に悩まされていた。ミカが寝室にカメラを設置するとそこにある物が写っていた。
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(レビュー) 製作費たったの1.5万ドルで全米興行収入1億ドルを突破したということで話題になったホラー映画。
若いカップルの周辺に起こる超常現象をドキュメンタリータッチに紡いだ作品で、物語自体は特にこれと言って語るべきものはない。「ブレア・ウィッチ・プ ロジェクト」(1999米)のようなフェイク・ドキュメンタリーもアイディアとしては二番煎じでしかない。
ただ、低予算とはいうものの、特撮、演技、演出はそれなりに頑張っていると思った。少なくとも「ブレア~」のような作りの綻びが見られなかっただけでも、今作のほうが真摯に作られていると言える。「ブレア~」は後半の作為性に萎えてしまった。
この映画の肝となるのは、超常現象にどれだけリアリティを持たせることができるか‥という点になる。日常描写に変に事件があったのでは超常現象の事件性のインパクトは薄くなってしまう。本作は出来るだけ日常描写を淡々と作り、ここぞという時のショック効果を大きく見せる演出をしている。
今作を見て日常描写が退屈と言う人の意見は分かるが、非日常とのギャップを生むための〝退屈″と甘受しなければならない。
そもそもホラーの肝は日常と非日常のギャップから派生するカタルシスにある。日常をなるべく本物っぽく見せることで非日常の異常性を大きく見せることで成り立っているのだ。ましてや今作のようなフェイク・ドキュメンタリーの場合、日常を日常っぽく作ろうとすればするほど〝退屈”になるのは当然である。しかして、現に今作の終盤はかなりショッキングに見れた。