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ホーボー・ウィズ・ショットガン

過激なバイオレンスシーンで突っ走るB級全開なバカ映画。ここまでやれば何も言うことはない。
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「ホーボー・ウィズ・ショットガン」(2011米)星3
ジャンルアクション
(あらすじ)
 初老のホーボー(流れ者)が、ドレイク率いる犯罪組織が支配する無法の町に辿りつく。彼はそこでドレイクが恒例とする公開処刑を目の当たりにし憤りを覚えた。その後、レイプされそうになった娼婦アビーを助け犯人を警察に突き出す。ところが、警察もドレイクの仲間でホーボーは半殺しの目に合わされる。アビーに助けられた彼は九死に一生を得て悪人退治に立ち上がる。
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(レビュー)
 初老の流れ者がショットガンを手に悪者たちと戦っていく壮絶アクション映画。
 タランティーとR・ロドリゲスが製作した「グラインド・ハウス」のフェイク予告編を長編映画として作り直した作品。いやはや、のっけから飛ばしまくっている。正にグラインド・ハウス系なノリのB級アクション作品である。

 尚、ホーボーというのは放浪者のことで、昔のアメリカ映画にはホーボーを主人公にした映画が結構作られていた。最もポピュラーな所では、L・マーヴィン主演・R・アルドリッチ監督作の「北国の帝王」(1973米)が思い出される。汽車に無賃乗車しながら町から町へと渡り歩く男の生き様が熱く活写されていた。今作の冒頭で主人公が汽車に乗って現れるのは、これらホーボー映画に対するオマージュである。60、70年代のテイストが漂い懐かしさを覚えた。

 物語はシンプルでやや予定調和な感じもするが、ホーボーの哀愁はストレートに表現されていると思った。ラストもきちんと収まるところに収まっているのでカタルシスも十分である。

 見所となるのは、なんと言っても過激なバイオレンスシーンとなろう。かつてのB級映画をパロディ化して現代に蘇らせるというのが先の「グラインド・ハウス」の基本コンセプトだったが、今作でもそれは踏襲されている。
 ただ、初っ端から残酷な公開処刑が登場し、以降も次々と人体損壊描写が頻出する。シリアスな映画ではないので全てがコメディ・トーンに演出されているが、苦手な人にはきついかもしれない。
 演出は所々に拙さを見せ、作品の出来自体は決して褒められたものではないが、ここまでバイオレンスに特化した潔さは買いたい。

 尚、映画のスタートは60,70年代なテイストを覗かせるが、後半に行くにつれて80年代風なテイストに変わっていくのは面白い。その最大の要因はオカルトチックなネタが投入されたことでSF風味が加味されたところにある。それとシンセを使ったチープなBGMもいかにも80年代的なトーンを匂わせる。こうした脈絡の無さ、何でもありな破天荒さもB級らしいと言えばB級らしい。

 ホーボー役はR・ハウアー。久しぶりに見たのだが、さすがに老けたなと思った。
 ただ、ある側面でこの物語は、乱れきった現代社会に対する頑固老人の叱咤という裏テーマが隠されているような気がする。例えば、ドレイクのドラ息子に対する成敗などは正にそれを暗喩していると言えよう。であるならば、やはりこの老いは必然であり、それをここまでド直球に演じられる俳優は彼をおいて他にない‥という気にもさせられた。彼の怒りのショットガンがふやけた現代社会に強烈なカウンターを食らわす様は痛快でもある。
[ 2011/12/23 00:42 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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