迫力のアクションシーンは◎。但し、散漫な作りになってしまっている‥。
「ターミネーター4」(2009米)
ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ) 西暦2018年。人類は抵抗軍を組織して、スカイネット率いる機械軍と熾烈な戦闘を繰り広げていた。抵抗軍の戦士ジョン・コナーは総攻撃の作戦指揮を任される。一方、焼け野原となった戦場から奇跡の生還を果たしたマーカスは、放浪先でカイル・リースに出会う。カイルは未来を変える鍵を握る少年だった。二人は機械軍から執拗な攻撃を受ける。
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(レビュー) 大ヒットシリーズ「ターミネーター」の第4作。今回は西暦2018年の未来を舞台に、ジョンとカイルの数奇な運命が描かれている。
これまでのシリーズの顔だったシュワちゃんが降板したためどうしても盛り上がりに欠けるが、アクションシーンはまずまずの出来になっている。 監督が
「チャーリーズ・エンジェル」(2000米)のマック・Gということで、かなりスタイリッシュでコミックブック風なものを想像したのだが、割とオーソドックスに料理されていた。これまでのシリーズの流れをを考えれば、このくらい抑え目にしたのは正解だろう。そうでないとシリーズの世界観までぶち壊されてしまう。
一方、物語の方は残念ながら今一つ‥。これでは一体誰が主人公なのか分からない。最初は当然ジョンが主人公かと思って見ていたのだが、途中から彼の出番はなくなり、代わって謎の男マーカスの視点でドラマが綴られていく。どちらか一方の視点に比重を置いた構成にしないと見ている方としても感情移入がしずらい。
おそらく脚本家もこのヒットシリーズをどう料理するかで相当頭を悩ませたのだろう。前作のラストに納得のいかなかったファンは多いと思うが、それをどう立て直すかであれこれ考えたに違いない。今回はそうしたプレッシャーの中で脚本を必要以上にこねくり回した‥という印象を持った。未来からやって来たターミネーターが人間を襲うというこれまでのパターンを敢えて外してきた所にも、何か新味を‥という作り手たちの熟考のあとが見られる。しかし、出来は余り芳しくない。
本来、このドラマの主役はマーカスなのだと思う。彼は人間と機械の中間的な存在であり、そのアイデンティティーを迫っていけばラストはもっと引き締まったように思う。実際、ジョンもカイルはここでは完全に脇役的な扱いになっている。最初からマーカスを主役にストーリーラインが組立てられていれば、もう少しまとまった映画になったのではないだろうか。
尚、アクションシーンではスピード感溢れるバイク・アクションが一番見ごたえがあった。
また、1と2に対するオマージュが見られたのも良かった。これまで見てくれたファンへのサービスであり、こういうのはシリーズ物には大切なことだと思う。