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河内山宗俊

山中貞雄監督の人情劇。
河内山宗俊 [DVD]河内山宗俊 [DVD]
(2004/12/25)
河原崎長十郎、中村翫右衛門 他

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「河内山宗俊」(1936日)星3
ジャンル古典・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 甘酒屋を切り盛りするお波は、たった一人の家族・弟の広太郎の非行に手を焼いていた。姉の苦労を気にせず盗みと博打に明け暮れる広太郎。ある日、彼は侍から小柄を盗みそれを質屋に売り払って河内山宗俊が開いている飲み屋に繰り出した。そこに心配したお波が訪ねてくる。広太郎は偽名を使っていたため宗俊は知らないと答えた。しかし、お波の心配する様子を見て不憫に思った彼は探すのを手伝うことにした。その後、お波に惚れている森田屋の用心棒・金子と一悶着あり、宗俊は彼と奇妙な友情で結ばれる。森田屋に多額の借金をしているお波を助けようと、二人はある画策をするのだが‥。
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(レビュー)
 歌舞伎の演目でも有名な江戸時代に実在した河内山宗俊の波乱に満ちた物語を、ユーモアと人情味溢れるタッチで描いた作品。

 監督・脚本は山中貞雄。現存しているソフトはたった3作品だが、他の2作品「人情紙風船」(1937日)と「丹下左膳餘話 百萬兩の壺 」(1935日)が名作扱いされているとあって、本作はどうしてもその陰に隠れがちである。実際、他の2作品と比べてみると、若干演出の切れが見劣りする。例えば、クライマックス直前に降る雪は、どうにもケレンミを求めすぎな感じを受けた。また、音質が大変悪いため中々ドラマに没入しにくい。古い作品なのでこのあたりは仕方がないといった所か‥。

 ただ、こうした不満はあるものの、お波の借金を巡るサスペンスを利用したキャラの立ち回りの上手さや、ユーモアを利かせた日常描写の積み重ね、それによって流麗に展開されるドラマ運びの手練には唸らされるものがあった。姉妹愛、悲恋、片恋慕、友情といった情緒も巧妙に織り込まれていて、人情派作家・山中貞雄のテイストが存分に味わえた。

 中でも、河内山と金子の奇妙な友情が良い。二人とも最初はお波を巡って喧嘩になるのだが、すぐに意気投合し彼女のために一肌脱ぐことになる。ハッキリ言って、この二人はどこか似た者同士な所がある。切符の良い所、飲んだくれな所、女にはめっぽう弱い所等々。そういったキャラクター性がこの友情を愛おしく見せている。一度も刀を抜いたことがないのに堂々と用心棒稼業をしている金子の山師振りは傑作だった。

 尚、お波役は当時15歳だった原節子が演じている。清楚な佇まいに、後の小津作品における〝麗しき娘”像の原型が見て取れる。
[ 2012/01/31 00:51 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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