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ダイアナの選択

コロンバイン高校銃乱射事件をモチーフにしたサスペンスドラマ。この究極の選択に何を思うか?
ダイアナの選択 [DVD]ダイアナの選択 [DVD]
(2009/07/24)
ユマ・サーマン、エヴァン・レイチェル・ウッド 他

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「ダイアナの選択」(2008米)星3
ジャンルサスペンス・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 郊外の高校に通う奔放な高校生ダイアナは、地味な級友モーリーンとひょんなことから親友になっていく。ある日、二人の運命は突然起こった校内銃乱射事件によって狂ってしまう。それから15年後、ダイアナは平凡な中流家庭の主婦に納まっていた。しかし、忌まわしい事件の記憶は今だに脳裏にこびり付いて離れなかった。事件の起こった日に被害者の追悼式が学校で行われることになり‥。
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(レビュー)
 銃乱射事件に巻き込まれた少女のトラウマをミステリアスに綴ったサスペンス作品。

  「ダイアナの選択」というタイトルからも分かるとおり、彼女は事件の渦中で〝ある重要な選択″を迫られることになる。それは親友モーリーンの運命を左右するような究極の選択なのだが、もし自分がその立場に立たされたら‥と思うとゾッとさせられてしまう。昔見た映画で「ソフィーの選択」(1982米)という映画があった。M・ストリープの熱演が忘れ難い傑作であるが、クライマックスの彼女の究極の選択は戦争の残酷さを見事に表しており、ある種自分の中ではトラウマ映画になっている。今回のダイアナの選択にも正にそれに近い〝難しさ″と〝恐ろしさ″が感じられた。自分ならどうするだろうか?色々と考えさせられてしまった。

  監督はV・パールマン。以前紹介した「砂と霧の家」(2003米)の監督である。サスペンスに人間ドラマを掛け合わせた作風は「砂と霧の家」にも通じるもので、この監督の得意とするところなのだろう。加えて、今回は時制を交錯させることで、ダイアナの過去の解明をミステリー仕立に語っているのが特徴的だ。ダイアナがどんなバックストーリーを持っていて、この事件にどう関係していたのか?そしてこの事件が現在の彼女にどう影響しているのか?それらが次第に明らかにされてくる。前作よりも幾分複雑な構成になっている。

 ただ、複雑になった分、ドラマの力強さは若干弱まってしまった印象を持った。演出もスローモーション等の技巧に溺れ過ぎており、この重苦しいドラマをどこか軽く見せてしまっている向きがある。テーマがテーマだけに端正な演出に心掛けた方が正解だったのではないだろうか。

 例えば、回想パートでダイアナとモーリーンの友情形成はあっさりとしか描かれていない。見た目や性格がまるで異なるだけに何か大きなきっかけがあってもおかしくないのだが、回想シーンの中ではそこが完全に省略されてしまっている。今回、二人の友情形成はドラマの肝と言っても良い。クライマックスの究極の選択もそこが欠けてしまったら、余り盛り上がらない物になってしまう。したがって、二人の前日談はもっとじっくりと作劇して欲しかった気がする。

 一方、この映画ではダイアナとモーリーンの友情以外に、ダイアナと母親、ダイアナと娘の愛憎ドラマも描かれている。こちらは中々見応えのあるドラマになっていた。
 少女時代のダイアナは、周囲の男子達を手玉に取るような奔放な娘だった。そんな彼女を母は厳しく教育していく。しかし、これがかえってダイアナを反抗的な娘にしていく。
 そして現在。歴史は繰り返されじゃないけれども、母親となったダイアナは今まさに若い頃の自分によく似た娘の教育に手を焼いている。ダイアナは子育てしながら過去の自分を見つめなおすようになっていくのだ。この三世代に渡る母娘ドラマは、事件の傍らで中々興味深く見ることが出来た。

 尚、肝心の銃乱射事件の顛末はラストで解明される。少し卑怯という気もしたが、予想を裏切るという意味では中々面白いオチに思えた。
[ 2012/02/14 00:37 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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