クライマックスの拷問シーンにイッテンバッハらしさは確認できるが、肝心のお話が退屈してしまう。
「ビヨンド・ザ・リミット」(2003独)
ジャンルホラー・ジャンルサスペンス
(あらすじ) ある墓地に一人の女性記者がやって来る。彼女は支配人からこの墓地にまつわるの恐ろしい話を聞かされる。それはマフィアの抗争に巻き込まれたダウニングという男の話だった。彼はボスの命令で〝ある物"を探していた。それを巡って殺し屋達と対決していく。
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(レビュー) 「新ゾンビ」(1998独)、
「バーニング・ムーン」(1992独)の監督オラフ・イッテンバッハが撮ったホラー作品。
期待して見たのだが、残念ながら今回は「新ゾンビ」のようなバカさが揮発して割とまともな映画になっている。それまでのチープな演出も幾分洗練されてしまい、奇妙な"毒"も失われてしまった。ただ、後半のゴア描写には"らしさ"が見られる。見世物的なカタルシスはそこだけになろう。
ストーリーも今一つの出来だった。墓地の支配人を語り部にした恐怖談という構成になっていて、マフィアの抗争劇と中世時代の異教徒討伐のエピソードが語られる。この二つには共通するキーアイテムが存在するのだが、いかんせん余り相関がはかられていないのが見ていて苦しい所だ。どちらのエピソードも強引に写ってしまう。これならエピソードをどちらか一つに絞って描いた方が面白く見れたかもしれない。その方が構成的にはスッキリするし、それを聞いた女性記者の恐怖もこちら側にすんなり入ってこよう。
尚、前半のエピソードにリックという殺し屋の舎弟が登場してくるのだが、これが演技、造形共に印象に残った。サイコパスな佇まいが実に良かった。