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浪人街 RONINGAI

濃い面子が魅せるクライマックスシーンは必見!
浪人街 RONINGAI [DVD]浪人街 RONINGAI [DVD]
(2007/11/28)
原田芳雄、樋口可南子 他

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「浪人街 RONINGAI」(1990日)star4.gif
ジャンルサスペンス・ジャンルアクション
(あらすじ)
 江戸時代末期、場末の飲み屋に久しぶりに浪人・源内が帰ってきた。彼はそこで働くお新と寄りを戻そうとする。しかし、無銭飲食を巡って用心棒・赤牛と喧嘩になる。そこにもう一人の浪人・母衣が現れその場を制した。3人は意気投合し飲みなおした。その帰り道、赤牛は怪しげな旗本の一団を目撃する。翌朝、川で夜鷹の死体が発見された。赤牛は事件の匂いを嗅ぎ取った。一方、赤牛の家の隣には鳥屋を切り盛りする元武士の息子・孫左衛門と兄思いの妹・おぶんが慎ましく暮らしていた。孫左衛門は帰参を夢見ていたが、そのためには百両という大金が必要だった。不憫に思ったおぶんは村の豪商・伊勢屋の妾・お葉に相談しに行く。おぶんはそこであの旗本の一団を目撃する。
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(レビュー)
 夜鷹斬り事件に巻き込まれる浪人たちの戦いを描いた時代劇。監修マキノ雅弘という名がクレジットされているが、本作は彼が1957年に撮った作品のリメイクである。尚、オリジナル版は未見である。

 監督は黒木和雄。この監督の時代劇と言えば真っ先に「竜馬暗殺」(1974日)が思い出される。今作もやはり快活でユーモアに富んだテイストが横溢し、作風は似ている。また、主演コンビ、原田芳雄と石橋蓮司が再び共演し、時代背景も同じ幕末ということで、どうしても比較してしまいたくなる。ただ、「竜馬暗殺」に比べるとこちらはかなり通俗的な時代劇になっている。カラーとモノクロの違いも関係しているかもしれないが、本作の方がいわゆるTV時代劇的な娯楽要素の強い作りになっている。

 物語は序盤からかなりテンションが高い。3人の浪人は明確にキャラ付されながら登場し、対立から芽生える友情もスマートに作劇されている。更に、彼らに割って入るヒロイン・お新の存在感もしたたかにフィーチャーされ、実に上手く構成されていると思った。

 ただし、その後に登場する孫左衛門、伊勢屋の話が出てくるあたりから、ストーリーの求心力はやや落ちてしまう。以降は暫く多種多様な人物達の日常を並行して追いかける群像劇のような作りになっていく。状況設定の説明がひたすら続くので見る側も根気強く見てあげないと辛いかもしれない。

 そして、この群像劇の一方で映画は夜鷹斬り事件というサスペンスも描いていく。こちらは後半のストーリーの大きな肝になっていくので注意して見ておきたい。一体誰が犯人なのか?何のために?という謎を提示しながら展開されていく。

 人間ドラマの方は、後半の飲み屋のシーンで本格的に動き出す。事件の真相を暴こうとお新とおぶんが動き、それに伴う形で源内と母衣が、更には孫左衛門の隠密行動が始まる。それまでバラバラだった人間ドラマがようやくここに来て夜鷹斬り事件という題目で一つの方向に向かい、そのままクライマックスに向けてボルテージが加速されていく。

 全体の印象としては、導入部と後半の盛り上げ方は上手く作られていると思った。ただ、中盤が少しだれるのが残念である。エピソードが分散してしまいドラマの芯が見えにくくなってしまったことが原因である。中盤は個々の設定説明に時間を割くよりも、主要キャラと夜鷹斬り事件との関わりに重点を置いて描いた方が良かったのではないだろうか。

 アクション的な見所は何と言っても、クライマックスのチャンバラシーンになろう。総勢120人の武士と対決する源内、母衣、赤牛の戦いは迫力があった。しかも、彼らは全員酔っ払ってこの戦いに挑んでいく。千鳥足で刀を振り回す源内、冷静さの中にも熱き武士魂を燃え盛らせる母衣、ヤクザにはヤクザなりのケジメのつけ方があると咆哮する赤牛。浪人という、ある意味社会からドロップアウトした者たちの戦いはどこか滑稽に映るが、同時に男には避けて通れぬ道があるのだ‥という心意気が感じられた。このクライマックス必見である。
[ 2012/03/25 01:41 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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