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クローンは故郷をめざす

面白い雰囲気を持ったSF作品だが、後半からついていけなくなってしまった。
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(2010/05/28)
及川光博、石田えり 他

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「クローンは故郷をめざす」(2008日)hoshi2.gif
ジャンルSF・ジャンルサスペンス・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 近未来の日本。宇宙飛行士・高原耕平はクローン実験の被験者となる。実験は成功したかに思えたが、クローンに記憶障害が残ってしまう。自分のせいで双子の弟・昇を事故で死なせてしまった過去が蘇りクローンは苦しむようになる。妻はそんなクローン耕平を受け入れられず‥。
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(レビュー)
 クローン人間が過去の記憶を手繰り寄せながら故郷をめざして旅をするSFサスペンス・ドラマ。

 アメリカのサンダンス映画祭でNHK国際映像作家賞を受賞した脚本を元にして作られた作品である。尚、その時の審査委員長だったW・ヴェンダースが今作で製作総指揮を務めている。ヴェンダースと言えば、この手のロードムービーを何本も撮ってきた映画監督である。自分探しの旅を描く今作に作家としての琴線が触れたのかもしれない。

 監督・脚本はこれが商業作品デビュー作となる新人監督らしい。メリハリをつけた映像表現、演者の表情を執拗に捉えたクローズ・アップ等、緊迫感を盛り上げる演出には中々魅せる物があった。基本的にはリアリティ重視な演出家のように思う。

 予算の少ないミニマムな作りだが、そこをビジュアルのアイディアで工夫した点も評価したい。SFと言えば派手なアクションや未来都市といったものを想像してしまうが、本作はじっくりと腰を据えて人間ドラマを語ることに専念している。確かにビジュアル的な華やかさはない作品である。旅を描く中盤以降は大自然に包まれた現代的な田舎風景が延々と続くのでSF映画らしくない。しかし、これが何とも奇妙な雰囲気を醸していて個人的には面白かった。A・タルコフスキー監督の「ストーカー」(1979ソ連)を想起させたりもする‥と言うと少し褒めすぎかもしれないが、ともかくもSFというジャンルを脱構築しようとした監督の意欲は買いたい。
 尚、美術監修にベテラン・木村威夫の名前がクレジットされている。彼の働きが反映されていると思しき箇所は幾つか見られた。特に、終盤の廃屋における不条理な美術には木村印が感じられた。

 一方、サンダンスで受賞したという脚本だが、こちらは正直今一つ‥といった感じである。第一に場面展開が乱暴すぎる。例えば、耕平の宇宙船の作業シーンなどは唐突に始まり唐突に終わる。見ていて暫く何が起こっているのか分からなかった。もう少し丁寧にシーンを組み立てて欲しい。
 更に、後半に突然登場する宇宙服もどこから出てきたのかさっぱり分からなかった。こちらの理解力不足なのかもしれないが、まったく意味不明である。ハナからナンセンスなドラマとでも言いたかったのだろうか?
 また、所々のセリフが稚拙で紋切り的過ぎるのもいただけなかった。例えば、研究所の所長とクローン学者の対話などは、どこかの子供向けSFアニメを見ているかのようで赤面物である。このあたりにはもう少し磨きをかけて欲しい。

 キャストでは、耕平の妻を演じた永作博美の熱演に見応えを感じた。特に、彼女が慟哭するシーンには目が離せなかった。多少セリフが臭い所はあるが、リアリズム重視なロングテイクによってその思いがこちら側に率直に響いてきた。
[ 2012/07/04 00:39 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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