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日本沈没

見所は素晴らしい特撮シーン。いつの世にも通じる強烈なサタイヤにもなっている。
【東宝特撮Blu-rayセレクション】 日本沈没【東宝特撮Blu-rayセレクション】 日本沈没
(2009/11/20)
小林桂樹、藤岡弘 他

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「日本沈没」(1973米)星3
ジャンルSF・ジャンル特撮・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 巨大地震が起こり小笠原諸島の一部が沈没した。物理学者・田所博士は得体のしれぬ不安を覚え、エンジニア小野寺が操縦する高性能潜水艇に乗って海底を調査した。すると日本海溝に異変をキャッチする。その後、地震や噴火が続発した。政府は緊急対策会議を開き、田所博士はそこに招かれ山本総理に日本海溝の緊急調査を提言する。こうして田所や小野寺を中心としたD計画が発動される。
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(レビュー)
 小松左京の同名ベストセラーを映像化した作品。

 過度なフィクションと一蹴することも可能だが、昨年の大震災の後に見ると何となくリアリティも感じられてしまう。
 ただ、この映画のテーマは、物理的な自然災害の怖さ以上に、日本人のアイデンティティーとは?という国民性を問うたところにあるように思う。幸い日本はかつての敗戦から立ち直り独立国として世界的な経済大国にまで成長した。しかし、世界を見渡せば国を持たない民族がまだまだたくさんある。日本人が国土を失い彼らと同じような立場に立たされたらどうなるだろう?という"空想科学″的シミュレーションは一つのケーススタディとしては中々興味深い。これは我々日本人に向けられた小松左京からの問いかけであろう。

 劇中には幾つか印象に残るセリフが登場してくる。小林桂樹演じる田所博士はこの事態をいち早く察知した科学者で、やがて訪れるであろう最悪の悲劇を日本民族に対する大きな試練と捉えている。日本人はまだまだ未熟な民族だ。ドメスティックな国民性を今こそ開放すべきである‥と唱えている。

 また、丹波哲郎演じる山本総理は、避難者を受け入れてもらうべく諸外国を訪れて必死の交渉を開始する。現実にはそこまでの誠意と信念を持って政治を執る人間がいるだろうか?ということを考えると、この頼もしさは実にまぶしく映る。彼は日本人の"強さ"を信じているからこそ、ここまで命を懸けて国民を救おうとしたのだろう。政界のフィクサー・渡に「このまま何もしない方がいい」と言われた時の心中は察するに余りある。この時の丹波の苦悶の表情は名演である。

 こうした、日本人は何を拠り所として生きるべきか‥というメッセージは、決して他人事として観ることはできない。重みと真実味が備わっている所に作品としての見応えが感じられた。

 ただ、それとは別に純粋に映画の出来自体について言うと、決してクオリティは高いというわけではない。ストーリーはやや日和見な部分があり、唐突な場面転換、演技のちぐはぐさも見られる。
 例えば、小野寺と恋人の出会いと別れは、途中から完全にメインのドラマから外に放置されてしまっている。本来映画的なドラマチックさを狙うなら、このエピソードは物語の中心にあってもおかしくないはずである。そこを上手く料理出来なかったことはシナリオの練り込み不足と言わざるを得ないだろう。
 実は、本作の後にTVシリーズが作られている。群像劇としてジックリと腰を据えて描くなら長尺なTVシリーズの方が適しているように思った。

 特撮シーンはかなり大がかりなものが見られる。序盤の潜水艇「わだつみ」の海底調査のシーン、衛星視点で捉えた日本沈没の俯瞰映像等、各所に見応えが感じられた。混乱に陥る首都を捉えたモブシーンにも力が入っている。一部でチープな特撮もあるが全体的には中々の迫力が感じられた。
[ 2012/07/06 01:16 ] ジャンル特撮 | TB(0) | CM(0)

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