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サニー 永遠の仲間たち

ベタな設定を上手く見せきった手腕が見事。まんまとしてやられた!
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「サニー 永遠の仲間たち」(2011韓国)star4.gif
ジャンル青春ドラマ・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 専業主婦ナミは優しい夫と思春期の娘と幸せな暮らしを送っていたが、心のどこかで満たされないでいた。そんな時、入院中の母親を見舞った先で高校時代の親友チュナに再会する。チュナは大企業の社長として成功していたが癌におかされて余命2か月の命だった。二人は過去に思いを巡らせる。それはチュナを中心とした仲良しグループ"サニー″のかけがえのない思い出だった。ナミはバラバラになった仲間に一目合いたいというチュナの願いを叶えようとするのだが‥。
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(レビュー)
 家庭に収まる平凡な主婦が、かつての親友達と再会しながら輝かしい青春時代を取り戻していく感動ドラマ。

 ナミの母親の存在が途中から放出されてしまったり、ナミの娘の虐めを強引な形で解決してみたり、所々に穴が見つかるが、ノスタルジー映画としては実にツボを得た作りになっていて感動させられた。

 映画はナミがサニーのメンバーを探していく過程を描きながら、その合間に当時の思い出がフラッシュバックされていく。現在と過去の往来がスムーズ、且つテクニカルに紡がれており、このあたりの演出は実に巧みである。ベタな設定に余り嫌らしさを感じないのは、監督の料理の仕方が上手いからだろう。

 何と言っても本ドラマの妙は、約20年も音信不通だったサニーのメンバーが集まるという、一見するとご都合主義な展開を、現在と過去の思い出を丁寧に呼応させることで、そうあって欲しい‥、奇跡が起こって欲しい‥と観客に思わせてしまう作劇のテクニックにあると思う。

 現在のサニーのメンバーは、夫々に落ちぶれていたり、家庭に問題を抱えていたりしている。年代的には40代後半くらいだろうか‥。この年になると人生のやり直しはきかなくなるし、身体的にも精神的にも衰えが出始める頃である。それだけの彼女たちの焦燥、孤独感もよく伝わってくる。
 一方、彼女たちの高校時代を描く過去編は、美しく煌びやかな思い出と共に振り返られていく。映画は、現在と過去の対比させることで、思うようにいかない"人生の皮肉″をまざまざと見せつけていく。

 現実的に考えてみれば、確かに人生とは思うようにいかないものである。子供の頃に思い描いていた夢とは全く違う人生を歩んでいた‥という人が大半だろう。そして、だからこそ我々は、落ちぶれた彼女たちのドラマに擦り寄ることが出来るのだと思う。過去の友情を取り戻すことが出来れば、今の生活にほんの少しだけ明かりを灯すことが出来るのではないか‥という彼女たちのかすかな希望。それに感情移入してしまいたくなるのだ。

 今作の肝はドラマの説得力を与えんとする過去編にあると思う。
 生き生きとした少女たちの表情、思春期特有の微笑ましいエピソードの数々が瑞々しく描かれていて実に面白く見れた。キャラクターも個性的に色分けされており見やすい。
 主人公ナミは不器用な田舎少女、リーダー格のチュナはしっかり者の男前。他にデブキャラ、悪口が得意なキャラ、眼鏡キャラ、クール・ビューティーというふうに明確に色分けされている。また、音楽やファッション、学生運動といった80年代の韓国の風俗もよく描けている。映画全体が一定のリアリティの中で展開されている。

 そんな中、隣町の不良グループとの縄張り争いや憧れの年上の異性に対する淡い初恋などは、いかにもこの年頃にありそうな反抗心、純粋さを表したエピソードで微笑ましく見れた。不良グループとの抗争劇で見せるナミの"憑依″は、伏線の上手さもあって大いに笑わされた。また、学生運動の渦中の喧嘩はパワフル且つ痛快であった。

 こうした微笑ましいエピソードの一方で、映画後半からは徐々にほろ苦いエピソードも登場してくる。地に足の着いた硬筆なタッチへと切り替わり、それまでの甘ったるい青春ロマンという殻を破っていく。
 例えば、今作のキーマンとなるスジのエピソードは輝かしいサニーの思い出で唯一の影の部分であり、映画はそこをクライマックスに持ってきている。その顛末をギリギリまで引っ張った構成、それを受けての余韻を残した幕引き。このあたりにシナリオの上手さには脱帽である。単に感傷に浸るだけのドラマではなく、一定の歯ごたえを持った作品に見事に昇華されていると思った。

 難は、冒頭で述べたように映画の作りとして多少"粗″が見られることである。
 また、韓国映画特有の大仰な演出も今一つ自分にはフィットしなかった。例えば、序盤に母親の入院部屋のシーンが登場してくる。TVドラマに突っ込みを入れる演出が反復されるが、どうもこれがクドく感じてしまった。同様に興信所の探偵と助手のやり取りもクドい。ビデオレターのシーンもバタ臭いし、夜道での軍隊のリアクションも韓国の厳しい兵役制度を考えると少し軽薄に映ってしまった。
[ 2012/08/07 01:36 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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